空色ホットライン (ページ2)

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ちゅーっとある程度口にタピオカを含ませた佐久間は、ハンモックを降りてずいっとテーブル越しに体を寄せてまた俺をじっと見つめる。何なのコイツ。

俺が言うより先、キラキラした漆黒の瞳を丸めて、にやっと笑う。

「やっぱりあのカラダ？」

『…は？』

突拍子もない発言に驚くけど、今度は手に持ったコーヒーはこぼさないで済んだ。

「…ま、やっぱり違うよね。ふっかは。」

含ませるような返事を怪訝に思いつつ佐久間の顔を覗き込むと、どうにも複雑な表情をしている。

落ち込んでいるようでいて、当然だと納得しているような。
やっぱり全く話の筋が読めない。

『…なに、なんかあったの。』

目の前で俯く佐久間にそう問いかけると、待ってましたといわんばかりに顔を上げた。

期待したような、困っているような。

なんか悩みでもあるんだろう。あーだからさっき照のこと聞いてきたのか。
要するに、自分の悩み相談を聞いてくれってわけね。

俺の座るソファの隣にちょこんと座りなおして、
「あのね」とゆっくりと口を開く。

「こないだ恋人にさ、俺のどこが好き？って聞いてみたんだよね。」

恋人って…なんでそこ濁すんだよ。メンバー全員知ってんだよ。

聞き手としては突っ込みたくなるところだけど、話の本筋とは違うのでここでは黙っておこう。

「はいはい、あいつね。」

「そう、あいつ。」

今は撮影やら長期の地方ロケやらでなんだかんだ一週間くらい会えないらしい。
寂しい、とにかく寂しい！と、昨日の飲み会で愚痴こぼしてたっけ。

俺もそいつとは同じく一週間くらい会えてないわけだけど、さすがに寂しい気持ちは微塵もない。
消えるわけでも一生会えないわけでもないのに。どうせ待ってたらすぐ会えるのに。

いちいちそんなことで愚痴るな！って翔太と文句を投げたのも昨日だ。

佐久間は珍しく苦い顔をして、

「そしたらあの子、散々悩んでなんて言ったと思う？」

なんの話だっけ。あぁ、佐久間の好きなところか。

…セオリー通りだとこの流れは、カラダ、なのか…？

さすがに答えるのはためらってちらりと佐久間を見やると、案の定佐久間が言った。

「カラダだって！！」

それはそれはよく通る大声で。