空色ホットライン (ページ13)

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『努力家だし。あいつだってストイックだし。』

「MCも上手になったよねー。」

『そう、カンペとメンバーをキョロキョロしながら交互に見るの。
そこは可愛いくせに、そん時の頭はフル回転だろ。凄いよな。』

「わかる。
それでいてたまにバブいよね。」

同意を求めはしたが、いざ同意されれば癪に障る。

『…は？』

つい凄んでしまった。スンっと真顔になる佐久間。

「いや、ふっかだけじゃなくて普段とバブくなる時のギャップが好きって話ね。」

『あぁ。』

「いいよね照は。ふっかのバブさも隣でずっと拝めてさ。
あの柔らかい唇だっていつ何しても許されるんだから。」

『は？く、唇って…
…お前も好きな奴の傍にいるだろ。』

「…だからぁ！今！遠距離なの～～！！
愛しの恋人が傍にいないの～！」

ジタバタする佐久間の大声が響き渡る。
うるせぇ佐久間！なんて翔太に怒られながら。

『…唇なんか、むやみやたらに触ったら絶対変なやつだろ。』

「え？でも好きなんだったらいいんじゃないの？」

…この男、30歳の成人男性は無邪気が過ぎる。

その理屈がまかり通ればこの世は犯罪天国だ。
怖くて電車にも乗れない世の中になる。

『好きだからって同意もなしはダメでしょ普通。』

あくまで冷静に、少しテンパる気持ちを隠すような反論をしたが、

「でもふっかも照のこと好きなんだから」と、佐久間にしてはまともな反論が返ってくるので何も言えない。