愛され貴族【iwdt・nbdt】

新年の光景 ページ11

「…もぐもぐ。」

うん…美味い。
俺が腕によりをかけて作ったからね。
伊達男が作る伊達巻…我ながら良い出来。

「新年、明けましてー！」

「おめでとうございまーす！」

陽気に照と翔太がご挨拶してるよ。
あ、俺も一応、やっておかないと…明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ、宜しくお願いします、宮舘涼太です。今はお分かりの通り、おせちを食べています。

「照、見てみろ、また、涼太、もぐもぐしてるよ。」

「今度はおせち料理バージョンだな。」

「2人も食べてよ、俺の作ったおせち。結構、上手く作れたと思うんだけど…。」

「涼太がそこまで言うならねー。」

「食べないと舘さんが可哀想だからね。」

何だそれ。
同情で作ってる訳じゃないんだぞ。
2人が嬉しそうに「頂きます」とハモる。

「…どう？」

「うわっ、うまっ！」

「美味しいよ、舘さんっ！」

その笑顔…可愛い。
2人して素直だから…。
これが見たくて作っているようなもんだよ。

「…良かったよ。」

「涼太の料理が食べられるのは俺らだけの特権だね。」

「だよね。」

どこで考えを一致させてんだよ。

「別に他のメンバーが食べてもいいんじゃないの？」

「それはダメ。」

「俺らが居ないとダメ。」

2人抜きじゃダメって事か…面倒くさ。

「かまぼこぉ…んまぁ…。」

「涼太がかまぼこに興奮してるよ。」

「舘さん、マジでヤバいっ！」

俺を見る目が嫌なんだけど…。
そんなに俺の事、好きなんだね。
嬉しいけど、疲れる。

「あ、あんまり見んなっ！」

「涼太、照れなくていいんだよ。」

「俺らの前では素の舘さんで良いんだからさ。」

だったら、あまり見ないでほしいんですけど…緊張して喉が通らないから。
食べたい気持ちがあるのに食べられなくなるだろ。

「…もぐもぐ。」

「涼太、栗きんとんに構ってばかりだよ。俺らにも構ってよ。」

「栗きんとん、美味しいもん…もぐもぐ。」

「美味しいもんって…もんって！」

照、1人で悶絶しないで。
翔太もそれを理解して顔を隠すし…。
俺の言動でいちいち、興奮しなくていいんだけど。

「涼太と栗きんとん、相性抜群だわ。」

「舘さんの可愛さを引き出してくれるからね。」

俺、栗きんとんに魅力を引き出されてんの？マジで2人の感性が意味分からない。

「涼太、今年も宜しくね。」

「…うん、宜しく、翔太。」

「舘さん、今年も宜しく。」

「…こちらこそ、宜しく、照。」

まあ、取り敢えず、Happy new year ！

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