うまくいかない【東海オンエアりょう】 (ページ7)

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振り返るとりょうくんが笑顔で立ってる。でも私にはわかる。

(お…怒ってる…なんでだろ…)

「A、全然帰ってこないから探したよ。こんなとこで何してんの？風邪ひくよ？」

りょうくんは私に優しく話しかけながら、ちらりと青年の方を見る。

その視線の冷たさに「あ、僕は先に中入りますね…。」と逃げるようにいなくなってしまった。

「ま、まって…」呼び止める声も虚しく、静かに怒るりょうくんと二人きりになってしまった。

「何知らない男引き止めてるの？」りょうくんの顔から笑顔が消えていた。

怯みそうになりながらも「別に？アウェイ同士せっかく仲良くなったからもう少し話したかっただけ。」と言い返す。

「へ〜。Aにとって彼氏の家はアウェイなんだ？悲しいなぁ。」

「ち、ちがっ…」そんなわけない。でも、否定してしまうとりょうくんの大切な仲間達を傷つける言い方になってしまう。

「で、Aはさっきの男とイチャイチャしてたのかぁ。」

「イチャイチャなんてしてないじゃん！」

「可愛い笑顔見せてたでしょ。あいつメロメロだったよ？わかんなかった？」

「私はただ、岡崎を案内してほしいって言われただけだもん。」

「はぁ…それほんとに信じてるの？Aはちょっと鈍感すぎるとこあるから気をつけた方がいいよ。」ため息混じりのあきれ声に、ツキンと胸が痛む。