うまくいかない【東海オンエアりょう】 (ページ17)

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「待って。」りょうくんの横を通り過ぎようとした時、腕をつかまれる。

「ごめん。今日はみんな帰ってもらえる？」有無を言わせないりょうくんの雰囲気に、場がひりつく。

そんな中、空気を読まない人物がただ一人。

「え〜！せっかく来たんだからちょっとだけお話しようよ〜！ねっ？」と、なお引き下がらない昔の同級生に豚さんも顔をしかめ「おい、もうそこらへんで…」と声をかけようとする。

「俺、家に知らない人入れたくないから。」ニコッと笑顔のりょうくんとは反対に、場が凍る。

真っ先に我に返ったのは、豚さんの彼女だ。
「ご、ごごごめん！すぐ連れて帰るね！Aちゃんもごめんね！また今度連絡するね！」

それじゃあ！と彼女は凍ったままの二人を連れて足早に去っていった。

りょうくんが友達に対してここまで余裕がない姿は見たことがない。

(そこまで、私に怒ってるんだ…)

感情のコントロールが出来ないほどの苛立ちを与えてしまっていると思うと、ここから話し合いをするのが怖い。

「さ、はやく部屋にいこ。」強く握られた腕はもう離してもらえそうにない。私は観念してりょうくんの後をついていった。