身震い ページ19
『他にご要件はありますでしょうか』
「ない、通常業務に戻れ」
完璧なカーテシーを見せ、上に糸があるのか疑うほど姿勢を正し、食堂を出た女を見て、ひとつため息を着く。
「ハァ……」
tn「いくらなんでも過保護すぎやで、グルッペン。」
「お前にだけは言われたくないな」
知ってるんだぞ、定期的にメイド副長にAが無理をしていないか聞いていること。真正面から聞けや、これだから童帝は。
しかし、やはり距離が近すぎると思う。いや、Aの言う通り幹部と関わる適切な距離は保っているが、幹部とメイド、以前に、男と女、だ。
加えてあの女誑しとも同じ距離だと?
「……いっそ総統秘書にしてしまえば」
tn「それはAに断られたやろ、どうせ今言ったって変わらんし。総統命令なんて使ってみ?冷めた目で見られること間違いナシや」
「ダメか……」
まだ建国して間もない頃、メイド長としてではなく、総統秘書として仕事をしてもらいたいと、頼んだことがある。勿論その時は自分の意思を尊重するように、と釘を刺した。
そうでも言わないと、Aは肯定人間になってしまう。
その配慮をした結果、丁寧な言葉遣いで断られた。くそ、あの時配慮なんてしなければ良かったな。
tn「ま、ええんやない。大先生は屑やけどバカやないし。手ェ出してどうなるか分かっとらん訳やないやろ。」
tn「他の奴らも、あくまでお気に入りであって、恋愛感情を向けてるわけやないと思うし。」
「それは遠回しに、お前がAに恋愛感情を向けてると言ってるのか?」
tn「んな目で見るわけないやろ、アホか。」
ちょっとしたイタズラで言ってみれば、冷めた目をこちらに向けるトントン。なんだお前、可愛くないな。
……いや、トントンがもしも
”総統閣下、こちらの資料は私がやっておきますので、お休み下さい”
変な想像に身を震わせていれば、先程までトマトでダウンしていたはずのゾムが、こちらに近づいてきた。
zm「、グルッペン、」
「……分かっている、新作爆弾の披露だろう?トントン、アイツらの監視頼む」
tn「……はいはい、仰せのままに。」
食堂を出て、少し歩く。そして、近くに誰もいなくなったのを確認したのか、ゾムが”本題”を切り出した。
zm「……やっぱり、俺の思った通りや」
「そうか……杞憂に終わればよかったのだがな」
zm「、……メイドの中に、スパイがいる。」
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ゲリラ - ciもグルだったかぁ〜 こんばんは!コメント返しありがとうございます。こちらこそ読ませていただくのでよろしくお願いします^ - ^夢主が今まで演技してたのも良いし、その演技を辞めたのも良い😭これからも更新頑張ってください (4月14日 23時) (レス) @page25 id: 3562e297db (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。(プロフ) - ゲリラさん» コメントありがとうございます!私もこういう系で主人公が誰一人として信じて貰えないのを疑問に思っていたので、安心していただけて良かったです!これからも頑張りますので、何卒よろしくお願いします! (4月14日 10時) (レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
ゲリラ - こんばんは!初めて読みましたが夢主が論破しようとしているシーンは最高ですね( ^ω^ )しかも何でみんな信じてあげないんだ!!と思いましたが信じている人もいて安心しました!更新待ってます!頑張ってください❣️ (4月13日 22時) (レス) @page24 id: 3562e297db (このIDを非表示/違反報告)
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