神も魔女も、御伽噺と同義である。 ページ6
「……暇、やな」
屋根の上で呟くも、それを拾ってくれるあいつらは、バラバラになっている。
部屋に引こもるもの、仕事に没頭するもの、放心状態で過ごすもの、必死に冷静になろうとするもの、訓練に打ち込むもの。
俺は、どれに当てはまるんだろうか。
「エミさんも、資料室に引きこもっとるし」
長らく訓練をしていない。きっと腕は落ちただろう。前は毎分のように誰かを訓練に誘っていたが、今はまともに飯すら食っていない。
味がしない訳では無い。いつも通り美味くて、最高の飯。だが、なにか物足りない。
それは分かりきっている。
「……エミさんとこ、いってみよかな」
ひょいひょいと壁をつたい、資料室に1番近い窓から入り、すぐそこにある”資料室”と木に彫られたプレートがかかる部屋を開いた。
紙とインク、そして探している彼の匂いが、鼻をかすめた。
「……嗚呼、ゾムさんですか。どうしました、こんなところで」
「エミさんに逢いに来ただけやで。」
「嬉しいことを言ってくれますね」
ニコニコと朗らかに笑うが、明らかに疲れが見える。何日も何日もここに籠って、なにか作業をしているのだろう。
無造作に置かれた本の中の1冊を、手にとった。
「”眠れる森の魔女”……？？」
「それ、Aさんの出身の北側の国の昔話なんだそうです。1度帰郷した際に、態々持って帰ってきてくれたので。」
パラパラと中をめくると、俺でも読める少量の文と、細い線で描かれた、ローブを被った女らしき姿。
これが、魔女とやらなのだろう。
「……で、何企んどるんすかねえ。」
ぱたん、と本を閉じ、横目でエーミールを見る。明らかに図星をつかれた顔をして、観念したのか白状した。
「……その魔女を、探してるんです。」
「は？」
「その本によると、魔女は死人を生き返らせる力があるそうなんです。」
「気休め程度にしかなりませんが、もしかしたら、と。結構昔話って、実際に会ったことを元にしたものが多いですから。」
「……大分希望的観測なの、分かっとんの」
「ええ、勿論。」
どうせ昔話なんて、誰かが言ったつまらない世間話だ。それにどんどん尾ひれがついて、こんな大層なものになってしまっているだけ。
到底、受け入れることなんてできなかった。
「……まあ、せいぜい死なんように頑張りや。こんなとここもっとると、禿げるで」
「今それ関係ないよね！？」
その時、インカムが何かを受信した。
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らてゃいぅ。(プロフ) - あさん» そう言っていただけて嬉しいです！！☺頑張ります💪 (5月6日 14時) (
レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
あ - すっごく面白いです！！これからも頑張ってください！！応援してます！！ (5月6日 2時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。(プロフ) - アイリスさん» はい！お試し的なのでこの作品だけ解除いたしました！何かあればまた鍵かけることになりますが…… (3月28日 20時) (レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - あれ、、、鍵、解除されました？ (3月28日 16時) (レス) id: 99053433ca (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。(プロフ) - 森の変出者(ﾝｼｬ)さん» コメントありがとうございます。自分に休息を作りつつ、皆様に最大限の物語をお届け出来たらと思います。温かいお言葉本当にありがとうございます！これからも頑張ります💪 (2月22日 21時) (レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
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