非日常の始まり ページ38
「ｯ、早く逃げるぞ！」
「分かってますよ！！」
痛む頭を無視しながら必死に走る。こんなの、バレたら殺されるに決まってる。馬鹿みたいに怖くて、息が直ぐに上がる。
逃げなくてもあそこで餓死か病死がいいとこ、拷問死なんて珍しくないくらい、鼻をつく臭いがした。
「ぺいんと、どこを通ってく？」
「らっだぁ……あいつによると、幹部のひとりの部屋が開いてるらしくて。運が良ければ、の話ですけど」
「じゃあ、閉まってたら……」
「……どちらにせよ、トラゾーとの連絡も取れない。仮に俺たちの場所をつきとめてたとして、この国にはそう簡単に入って来れない」
「僕らが、自分で出るしかない、んですか」
”しにがみ”が顔を青くさせ、自分の服を握りしめながら声を絞り出す。きっとそれは、
”クロノア”さんだって顔を強ばらせているし、俺だって内心気が気じゃない。今生きてるのが不思議なくらい。
”いいか、ぺいんと。いや、お前がぺいんとか分からないけど。”
”俺がここから出て、監視カメラと警報を切る。今幹部はひと部屋に集まってるし、俺なら管制室を制圧できる。その間にお前らは、Aの部屋に行け”
”それが出来たとして、お前はどうすんだよ、”
”……俺は大丈夫、何とかやる。そんで、無事に出れたら、頼みがある”
”頼み、って、なに？”
”……北端の森で、__________”
……いや、不思議じゃない。これは確かに、あいつが生かしてくれた命で、ちゃんと存在してる。
「”A・へクセ”……間違いない、ここだ」
「ｯ、(また頭が、)」
「、ぺいんとさん？」
「大丈夫、ちょっと頭痛いだけ」
クロノアさんが中の様子を確認し、慎重に扉を開きながら中へと進む。まるで夜の廃墟に入るような緊張感だ。
そして思わず、声を上げそうになった。
「ひｯ、」
「……死体？」
「で、でも、心臓が、動いて、」
そこにあったのは、否、居たのは、端正な顔立ちのまま固まった女性だった。
それを見てさらに、頭がズキズキと痛む。なんなんだよこれ、そんなに強く蹴られたの？俺。
『……』
「……行こう、時間が無い」
正直もう吐きそうだ。死体あるし、緊張感エグイし、なんだよマジで。
そして俺達は、北端の森へと走った。
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らてゃいぅ。(プロフ) - あさん» そう言っていただけて嬉しいです！！☺頑張ります💪 (5月6日 14時) (
レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
あ - すっごく面白いです！！これからも頑張ってください！！応援してます！！ (5月6日 2時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。(プロフ) - アイリスさん» はい！お試し的なのでこの作品だけ解除いたしました！何かあればまた鍵かけることになりますが…… (3月28日 20時) (レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - あれ、、、鍵、解除されました？ (3月28日 16時) (レス) id: 99053433ca (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。(プロフ) - 森の変出者(ﾝｼｬ)さん» コメントありがとうございます。自分に休息を作りつつ、皆様に最大限の物語をお届け出来たらと思います。温かいお言葉本当にありがとうございます！これからも頑張ります💪 (2月22日 21時) (レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
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