ピース ページ34
「ほう、それは何故だ」
「自分は人の上に立てる人間だとは思いません。軍の幹部としてではなく、軍の兵士として戦った方が、自分には合ってると思います」
「それに自分は、部下を思いやれる心なんて持ってない。」
”俺、そんな優しい心もってへんねん”
…流石、コネシマが連れてきただけある。
もう何年も前になる、コネシマが幹部として初めて俺たち全員と顔合わせをする前日。
コネシマは同じようなことを、同じようなムカつく顔で平然と答えた。それに度肝を抜かれたのは、俺もオスマンも、グルッペンも同様だった。
ここまでの実力を持ってして、幹部になる気がない。それも理由が理由だ、思わず言葉を失い、興味が増した。
けどそれは、そういうやつを見たのが”初めて”だったからだ。
”そんなものが、俺にあると思うか？必要だと思うか？”
そしてグルッペンも同様に、数年前と同じ答えを平然と返すのだ。
「思いやる心、優しい心、無価値だとは言わないが、必要だとは思わない。俺はな。」
「実力と忠誠心、駒という自覚があれば、俺は他に何も求めない。」
「(相変わらずエグイこと言うわ)」
いじめている自覚は無い、とか言うくせに、こういう意地の悪いことは言うもんな。”駒という自覚”なんて、そんなすぐできるもんちゃうのに。
……けど、これがないと、きっと幹部にはなれへんやろな。
”そう。ならたった今、私は幹部に必要なものが全て身についたという事ね”
”貴方になら……貴方が作るこの国になら、私は寿命だって心臓だって、笑顔で差し出せる”
もうだいぶ年季の入った赤いマフラーに口元を埋め、その下で思わず口が弧を描く。
”はい、あげる。ここだと寒いでしょう”
”……俺？”
”グルッペンはコート着ているし、それどころじゃないわ。作りすぎちゃったから、貰ってくれる？”
あの時Aを拾ったのがグルッペンじゃなかったら、きっとAは今もあの森でひとり過ごしていただろう。
きっとこの国は、こんなにも豊かではなかっただろう。
Aでなくても、誰か一人が欠けていたら出来ていなかったこの国は、今欠けている。
そしてそのピースは、とんでもなく複雑な形の、代わりなんてないピース。
「……厄介やな」
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らてゃいぅ。(プロフ) - あさん» そう言っていただけて嬉しいです！！☺頑張ります💪 (5月6日 14時) (
レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
あ - すっごく面白いです！！これからも頑張ってください！！応援してます！！ (5月6日 2時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。(プロフ) - アイリスさん» はい！お試し的なのでこの作品だけ解除いたしました！何かあればまた鍵かけることになりますが…… (3月28日 20時) (レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - あれ、、、鍵、解除されました？ (3月28日 16時) (レス) id: 99053433ca (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。(プロフ) - 森の変出者(ﾝｼｬ)さん» コメントありがとうございます。自分に休息を作りつつ、皆様に最大限の物語をお届け出来たらと思います。温かいお言葉本当にありがとうございます！これからも頑張ります💪 (2月22日 21時) (レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
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