白紙のキャンバス ページ32
「……、ぁれ、」
ここ、どこだ。
起き上がろうと頭をあげると、ズキンと痛む。そういえば、蹴られたんだっけ。
ひんやりと冷たくジメジメした部屋、というか牢屋。仲間ふたりが居ない。良くて隔離、悪くて……
最悪の想像をしてしまい、胃から何かがせり上がってくるような感覚を必死に抑える。
「……」
「あれ、起きたん？」
「！！」
「随分と長い間寝とったな、目覚めはどうや、最悪やと思うけど」
何やら今まで弄っていた機械から目線を外し、俺の方を見る和服を着た人。顔の横にはお面のようなものがかけられている。
和服ってことは、東側の国？いや、言葉の訛り的には西だし、髪が黒くない。目だって、鮮やかなピンクだ。
「初めまして、俺はロボロ。あんさんらは一応、”捕虜”ってことでここにおる。一歩間違えれば死刑囚にもなり兼ねんから、そこんとこよろしく」
「……何で俺たちを捕まえたんですか」
「それを教えるメリットは無い。ったく、勘弁して欲しいわ、最近ひとり捕まえたばっかやのに……」
「ここはどこなんですか」
「あんさん執拗いなぁ……その辺は、向かいのやつに聞いてや。俺これから仕事あんねん」
向かいのやつ？
ロボロさんが退けた時、目が合った気がした。そして、
俺の中で、何かが動いた気がした。
「、ぺいん、と……、？」
「、え、……なんで、名前」
ひどく暗い、目の下に隈を作った、全部諦めたみたいな顔。
確かに俺の名前を呼び、俺の方を見ている。でもなんで、俺の名前を知ってるんだ？
”遅くならないうちに、早く帰れよ〜”
「……そっか、そっ、か……そういうことかぁ、道理で、なぁ。」
「、？何言って、」
「なんで、早く帰んなかったんだよ。」
「だからｯ、何を」
「最初っから、俺の言う通りにしてれば……俺と会わなければ、森に入らなければ、」
「人間として、終わらせてやれたのに」
その男の頬には、何故か涙が伝っていた。
あったことなんてない、所謂前世とやらの記憶は持ってるけど、そこでも会ったことなんてない。
写真で見た訳でもないし、名前だって知らない。はずなのに。
「なんで、泣くんだよ、らっだぁ、」
口からはすんなり、名前が出てくる。
その名前が何を意味するかも分からないのに、どういう関係なのかも分からないのに
頭がズキズキと痛む。これは、蹴られたせい？
ただどうしても、忘れたくない気がしたんだ。
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らてゃいぅ。(プロフ) - あさん» そう言っていただけて嬉しいです！！☺頑張ります💪 (5月6日 14時) (
レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
あ - すっごく面白いです！！これからも頑張ってください！！応援してます！！ (5月6日 2時) (レス) id: 597af49ddb (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。(プロフ) - アイリスさん» はい！お試し的なのでこの作品だけ解除いたしました！何かあればまた鍵かけることになりますが…… (3月28日 20時) (レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - あれ、、、鍵、解除されました？ (3月28日 16時) (レス) id: 99053433ca (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。(プロフ) - 森の変出者(ﾝｼｬ)さん» コメントありがとうございます。自分に休息を作りつつ、皆様に最大限の物語をお届け出来たらと思います。温かいお言葉本当にありがとうございます！これからも頑張ります💪 (2月22日 21時) (レス) id: 18a63bb57c (このIDを非表示/違反報告)
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