しょうれん短編集

ジーコ ＊紫耀 ページ43

*紫耀


今日はMステだった。

ジャニーズJr.も出演して、その中にSnow Manもいたの。

みんな何かを察してくれたのか、ひな壇に座ってる時はずっとジーコの隣にいれた。


無事生放送が終わって楽屋に戻り着替えをしている時、とんとんっと肩を叩かれた。


『ん？廉か、何？』


「スノーマンの楽屋行かんでええの？」


『えっ？なんで』


「ひさびさにジーコに会ってきたら？」


廉の言わんとしていることはわかる。

久しぶりにジーコに甘えておいでってこと。


廉が大吾に素直になれるように、俺はジーコの前では素直に甘えられる。

思いっきり甘えん坊になれるんだ。


デビュー前からずっと忙しくて誰かに身を預けてゆっくりする時間がなかったから、久しぶりにジーコに抱きしめてほしいなって思った。


そう思うと早く会いたくなってきた。


『うん、着替えたら行ってくる』


「おう」


廉はどこか安心したような笑顔になった。

甘え下手で溜め込みやすい俺のことよーわかってるからなぁ。

気にかけてくれる廉は俺のこととなると心配性で過保護だけど、一緒にいてくれると心強い。



ジーコもう帰っちゃったかな、って少し焦りながらSnow Manの楽屋の扉を開ける。


すると一斉に『おー！』『紫耀！』って声が飛んできたからびっくりして飛び跳ねちゃった。


その中でも一際大きな『紫耀やん！』の声。


ソファから立ち上がって嬉しそうな顔のジーコに俺も嬉しくなる。


お疲れ様です！ってペコペコしながら、ジーコの元に一直線。


ジーコはニコニコしながら、もう手を広げて待っててくれてる。


俺も多分ニッコニコ。

ちょっと小走りしてぎゅーって抱きついた。


佐『おーい！ラブラブじゃん！』


照『さっそく康二かよ笑』


なんて声が聞こえてくるけど、俺は気にせずにっこにこ。


ジーコも強い力で抱きしめ返してくれるから、昔の感覚が蘇ってきてめちゃめちゃ幸せ。


康『久しぶりやな紫耀〜』


『えへへ』


この優しい声。安心する大好きな声。


康『ちょっと期待しとったけどほんまに来てくれるとは思わんかったわ』


『廉がね、行ってきたら？って』


康『そうなん。なんか安心やわ』


『へへ。』


飽きることなくずーっとそうしてる内に、すっかりジーコの腕の中にフィットしちゃった。


ジーコは細いけどあったかくて、ついうとうとしてしまう。

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