しょうれん短編集

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*紫耀


多分、小児病棟でも聴診器をここまで怖がる人おらんやろう。

看護師さんもあまりの廉の怯えようにちょっと困ってるみたい。


『廉、胸の音聞くだけやで？もしもししたことあるでしょ？これで終わりやから。この後何も痛いことせんよ、だいじょーぶ』


看護師さんに目で合図して、進めてもらう。

聴診器が触れた瞬間ビクッてしたけど、痛いほど手を握りながら、なんとか終了。


看護師さんは優しく声をかけてくださって、朝食を置いて出て行った。


『だいじょうぶやったやろ〜？』


「うん」

終わったらケロッとしてる廉。


入院した直後はしんどさでされるがままやったけど..何度か採血も点滴の替えもあるやろうに、ちょっと心配や...汗


その後、やっぱり病院食ってまずいのかあんまり食べなかった廉のためにヨーグルトを買ってきてあげて、一緒に軽く朝食を食べる。


点滴のおかげで熱も下がってる廉はいつも通りよー喋る。


そうそう、病院怖いか聞いてみたら、

「病院は痛いことしかせんから嫌い！」

だって。理由が子どもだよ..笑

可愛いけどね♡





それから俺は仕事があるから夜までバイバイ。


『廉、いつでも連絡してきていいからね？全然迷惑じゃないから』


そう伝えると、にこーっと嬉しそうな顔をした。


そして今回は戻ってくるって分かってるからか泣くこともなく、「行ってらっしゃい！」って元気に送り出してくれたよ。



お昼過ぎに『おれ今日採血してん！がんばってんでー！』ってそれは嬉しそうに電話がきた。


ただ、遠くの方で玄樹の『泣いちゃったけどね』って声がして怒ってたけど笑


そんな微笑ましくも褒めてあげたい報告に、早く廉のところに行きたくて仕事もやる気が出る。


病室に入るなり大げさなほどワシャワシャと頭を撫でてやったら、嫌がるどころかめっちゃ幸せそうに顔をくしゃっとして喜ぶから、なんか昔のベタベタの廉に戻ったみたいで可愛かった。

おまけにとびっきりの笑顔で『おつかれさん！』つき。


そんな感じで毎日玄樹か、仕事がないメンバーが常に廉のそばにいるように、そして夜はどれだけ遅くなっても必ず泊まるようにして、できる限り廉の不安をなくす努力をした。


そしてあれだけ怖がっていた入院生活も1週間が過ぎ。


レントゲンを撮って、完治したと報告された。


その後無事に仕事にも復帰して、またうるさい廉に戻りました。

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