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*紫耀
着替えを持って病室に戻ると廉は寝ていた。
タンスに着替えをしまってベッドサイドの椅子に座って本を読んでいると、昼食を持った看護師さんがきた。
看『目が覚めてからで大丈夫ですので、なるべく食べれるように補助してあげてください』
『はい、わかりました。ありがとうございます』
そんなやりとりをして看護師さんが病室を出ると、その直後に廉が目を覚ました。
「しょぉ...」
『お、廉。おきた?だるくない?』
「うん、大丈夫..ケホッ」
点滴のおかげだろうね。しんどくて動けないってほどではなさそうで少し安心。
『お昼ご飯運ばれてきたけど食べる?』
そう聞くと、体を起こそうとするからリクライニングをあげてやって、手伝ってあげる。
廉は献立をまじまじと見つめた後、小さく「食欲なぃ..」と呟いた。
『そか。無理するのもいけないもんね。じゃあ飲むだけ飲も?』
昼食についていた牛乳パックを渡してやると、ごくっごくっと2口飲んで机に置いた。
「もういぃ..」
『ん。じゃあもう終わりにしようね』
一応点滴してるから、最低限の栄養は補給できてるはずだし。
次来るときはヨーグルトか何か買ってきてあげよう。
そんなこんなしていると、もう仕事に行かないといけない時間になった。
『廉、俺この後仕事あるからまた明日ね』
「え、、、あ、うん。」
『ん?どうした?』
「何でもないよ。頑張ってね」
『ありがとう。明日もくるね』
「ありがと。」
最後に微笑みかけて、立ち上がる。
ドアの前でもう一度振り返り、じゃあねって挨拶しようとしたら...
廉が声もあげずに静かに泣いてた。
堪らなくて時間もないけど頭を撫でてやる。
『いつでも連絡しておいで』って枕元にスマホを置いてあげて、病室を出た。
静かに涙を流す廉を思い出しては胸がキューっと締め付けられる。
この前19歳になったばかりの廉。
まだまだ甘えん坊なところもあるし、廉にとっては初めての入院でいろいろ不安もあるんだろう。
仕事があるのをわかってるから、本当は引き止めたいだろうに聞きわけよく我慢したんだ。
それを思うと余計に胸が痛い。
どうしてもそばにいてやりたくて、でも俺は無理だから、頼る先は玄樹。
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もも(プロフ) - コメント失礼します!初めて拝見したんですけど、まさかの、嵐も登場で嵐ファン兼ティアラとしてはもうほんとに堪りませんでした(//∇//)また、登場してくれるのを楽しみにしてます! (2020年8月10日 23時) (レス) id: 20bbfbc612 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - みゆさん» そう言って頂けてとても嬉しいです(*´˘` )しょうこじはジーコが甘える事が多いけど、きっと裏では紫耀くんもたくさん甘えてるんだろうな〜と思います♪ぜひ、また書きたいですね!その時は読んでやってください(^^) (2019年4月1日 19時) (レス) id: 1920600d5f (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 初めまして。しょうこじ読めて、嬉しいです!甘えたさんのしょう君大好きです。また関西の絡み読みたいです。楽しみにしてます! (2019年4月1日 15時) (レス) id: 079dd3e097 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - mikeさん» 嬉しすぎてにやけております..笑素敵な感想ありがとうございます!これからもしょうれんだらけなので、ぜひ楽しみにしていてください!! (2019年3月25日 23時) (レス) id: 1920600d5f (このIDを非表示/違反報告)
mike(プロフ) - 紫耀君に昔の様に甘える廉君と、それを喜ぶ紫耀君が見れて嬉しかったです!めちゃくちゃ可愛いかったです!素敵な作品をありがとうございました!また可愛い二人を楽しみにしています! (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed8f4e7c50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2019年3月21日 2時