しょうれん短編集

疲労 ＊紫耀 ページ28

*廉


最近の紫耀は忙しすぎる。睡眠時間は毎日2時間って聞いた。


そりゃそうだ。

たまにテレビを見ると必ず紫耀が出てる。

それって、不定期にいつ見ても紫耀が出てるってことやろ？てことは毎日テレビ出てるってことやん。


お疲れの証拠にメンバーみんなで撮影や取材がある時はどんなに周りがうるさくても構わずに寝てる。

歯ぎしりもすごいし、ほんまに心配。


今日だって楽屋入りするや否やすぐにソファで寝始めた。

顔色も青白くてメンバーみんな心配そうに眠る紫耀を見つめる。


グループの名を広めるために一番活躍してくれているからすごくありがたくて感謝してるけど、でもそろそろ休ませてあげたい。


そんなことを思っていると、静かに寝ていた紫耀がいきなり魘され始めた。

『う"ぅ..』とか『っはぁ..！』とか苦しそうな声が聞こえて、大丈夫かとみんなで顔を見合わせる。


起こした方がいいか迷っていたら、『やめてっ！』って紫耀の叫ぶ声が聞こえて驚いてとっさに近づいた。


紫耀は自分の声で起きたみたいで、『はぁっ、はぁっ、』と荒く息をしながらぼーっと天井を見ていた。


「紫耀...？」


そう恐る恐る声をかけると、ゆっくりとこちらを向く紫耀。


「すごい魘されてたみたいやけど...大丈夫？」


『....っごめ、』


「いや、大丈夫やけど...」


紫耀の声が思ったより低くてちょっと怯んじゃった。


だるそうにゆっくりと体を起こす紫耀。

眉間にしわを寄せる紫耀に何も言えない俺たちをよそに、そのまま楽屋を出て行ってしまった。

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