しょうれん短編集

甘えん坊 ＊廉 ページ23

*紫耀


今日はオフだったメンバーと遊んで、そのあと珍しく廉が家に来た。

まあ海人にねだられて「しゃーないなぁ」って感じでついてきたんだけど急に海人がお仕事に呼ばれちゃって、二人きり。


いつの頃からかプライベートで会うことはほとんど無くなってたから、久々だしちょっと緊張する。


廉も同じだったみたいだけど、借りてた映画がタイミング良く廉も見たかったやつってわかって一緒に見ているうちに緊張も無くなった。


観終わってから、集中してた分少し疲れてしまって二人してソファで寝ちゃって。

起きたらもう9時を回ってて流石に焦った。


廉を起こして、晩御飯を食べていかないか聞いてみると「外食するつもりやったから、頂こうかな」という返事。


そうと決まると久し振りに廉に手料理を振る舞うともあって気合が入る。


廉の好物を並べるとキラキラした目で「美味しそう！早く食べたい！」って見てくるから、こうゆう素直なところ昔から可愛いなぁ〜なんて思う。


『いいよ。遅くなっちゃったけど食べよう』


「うん！いただきまーす」


『いただきます』


「...うまっ！美味しいで、紫耀！」


『へへ。良かった』


本当に美味しそうにガッツいてくれるから嬉しい。

いつもよりも一段と美味しく感じた晩御飯だった。


食べ終わった頃にはもう22時半になろうとしていて、遅いし危ないなと思って泊まっていかないか聞いてみた。

廉は「迷惑ちゃう？」って少し迷ってたけど、俺が全然いいよと言うと「じゃあ」って泊まることになった。


俺は洗い物をするから先に廉にお風呂を使ってもらって、上がってきたら俺もお風呂に向かった。

ささっと入って頭をガシガシ拭きながら上がると、乾かしたのか髪がサラサラの廉がソファですでに寝ちゃってた。


暖房ついてるとはいえ風邪引いたらダメだから、ベットを使ってもらわなきゃ。


『廉、廉』


肩をトントンって軽く叩くとうっすらと目を開ける廉。


「ん..？ あ、ごめん、寝ちゃってた」


『全然いいよ。でもここじゃ風邪引くからベット行きな？』


「え、いいよ。紫耀寝るとこないやん」


『俺がソファで寝るよ』


「でも..」


『お客さんをソファに寝かすわけにはいかない』


俺が頑固にベットに行けと言うから、優しい廉は腰痛持ちの俺が心配だと、迷ってる。


「じゃあ.. 紫耀の方が心配やし、二人ともベットで寝るのは？」


...えっ？

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