しょうれん短編集

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*廉


紫耀が泣いてしまうという想定外の展開に焦りと罪悪感を感じながらも、モニターを続ける。


『ふっ...ｯ__ｺﾞﾎｯ、っおれ..ｯﾋｸ、れんがっいるの、当たり前ｯｯｺﾞﾎｯ、だと、思ってた...！、ﾋｸｯ』


泣きすぎで咳まで出てきながら、必死に言葉を紡ぐ紫耀。

静かにその様子を見守りながら、岸くんが落ち着かせるように背中を撫でている。


『ｯだけどっ！こうなっちゃって..ｯｯ、ﾋｸｯ、ずっと..！ｺﾞﾎｯれんと、いれたのっ、って..ふっ、、すごくっ、しあわせ、っな、ことだって...ﾋｯｸ！ﾊｯ..ｺﾞﾎｯ』


玄『大丈夫だよ、落ち着いて..』


『ｪｯ_ﾋｸｯ、ぉれっ、ｺﾞﾎｯ、廉いないの、いやだ...！ｯｯ』


そこまで言うと、さらに大粒の涙を流して大号泣。

岸くんと玄樹が二人して紫耀の背中をさすって落ち着けている。


ジンは紫耀の涙に誘われて感極まって泣いちゃった海人を抱きしめて慰めている。


思った以上に感動的で、そしてマジな感じで緊迫してドッキリでしたーなんて言いにくい空気に別室にいる俺らまでしんとしてしまった。


でも実際放送されるときはナレーションで素敵に繋いでくれるはずだし、このままじゃメンバーも紫耀もかわいそうだからネタバラシへ。


マネージャーがリーダーに話があると岸くんを呼び出して、俺とともにネタバラシのプラカードを持って楽屋に突撃！


ダン！と勢いよく開く扉にビクッと大げさに飛び跳ねる泣き顔の紫耀。


「紫耀！ごめんな..！！！ドッキリでした！」


『えっ...』


涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら、小さく声を漏らして固まる紫耀。


堪らなくてまだ状況がわかっていない紫耀を思い切り抱きしめる。


「ごめんな、紫耀。交通事故は嘘。なんもなってないし元気や。ごめんな騙して」


抱きしめながら謝れば、怒ると思ってたのにまさか紫耀も俺の背中に腕を回してきた。


そして────


『ぅぅ〜〜、もぅ...っ！も！ｯｩｸ、ﾋｨ〜〜〜〜〜ｯｯ泣』


声にならない声を上げて、驚いて引っ込んだ涙がまた溢れ出してしまったみたい。


「はっはっは、ごめんなぁ？ごめんごめん..」


ポンポンと背中を撫でても、紫耀の涙は止まらない。


『れんがいなくなっちゃうと思って..！！ｯぅ〜っ..ﾋｸｯ』


「ほんまごめん！おらんくならんよ、安心して？」


そうゆうと、紫耀の体から力が抜けてソファに沈んだ。

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