【鬼滅の刃】鬼 殺 愛 記 『1』

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？｢猪突猛進、猪突猛進！！｣




____バキャッ


玄関の方から音がしたと思えば、玄関の戸が壊されていた。
そして猪の被り物をした男。



？｢アハハハハハ！！
鬼の気配がするぜ！！｣

善逸｢あっ！あいつ…今声聞いてわかった。

六人めの合格者…
最終選別の時に誰よりも早く入山して、誰よりも早く下山した奴だ！！
せっかち野郎！！｣


今、外は昼。
鬼ってまさか…



？｢見つけたぞオオオ！！｣




猪は炭治郎の箱に向かって行く。





善逸｢やめろーーーーー！！｣
？｢！！｣


急いで箱の前に立つ。
これは…




善逸｢この箱に手出しさせない！
炭治郎の大事なものだ！！｣
？｢オイオイオイ、何言ってんだ！
その中には鬼がいるぞォ、わからねぇのか？｣

善逸｢そんなことは最初から分かってる！！｣



鬼を連れてるのはわかってた。

"鬼の音"と"人間の音"は全く違うから。



でも、炭治郎からは泣きたくなるような優しい音がする。
今まで聞いたことのないくらい優しい音だ。

生き物からはとにかく音がしている。
たくさんの音が零れ出している。


呼吸音、心音、血の巡る音。
それを注意深く聞くと相手が何を考えているかもわかった。

でも俺は人によく騙された。
俺は自分が信じたいと思う人をいつも信じた。



鬼殺隊でありながら鬼を連れてる炭治郎。
でもそこには必ず事情があるはずだ。

それは俺が納得できる事情だって信じてる。





善逸｢俺が……


俺が……直接炭治郎に話を聞く。
だからお前は……引っ込んでろ！！！｣




炭治郎……

炭治郎は夢女ちゃんを守ったのかな。
俺が今から炭治郎の大切なこの箱を守ってやるんだから、俺の大切な夢女ちゃんを守れよ。



夢女ちゃんは会った日からずっと、無音だった。
音が聞こえたのは人間が生きるのに最低限な音だけ。

でも最近はちょっとの小ささだけど、コロコロと悲しい気持ちや楽しい気持ちが聞こえてくる。


炭治郎と一緒にいるからかな？
それとも他の誰かかな？


…分からないけど、夢女ちゃんが笑う日を俺が作ってやりたい。
夢女ちゃんが心の底から楽しい、嬉しいという音を聞きたい。

だから炭治郎、必ず守ってやれよな。






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