[第47話] 崩落 ページ9
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___ｳｨｲｲｲﾝ……ｶﾞｺﾝｯ……
ﾚｲ｢……戻ってきたね。｣
ｻﾞｯｸ｢ほんとにな……ったくややこしいんだよ。｣
ﾚｲ｢……たしか大聖堂のステンドグラスって言ってたな……
調べたいけどピアノがちょっと邪魔……｣
レイさん、それはもう退けろと言ってるようなものですよ…。
ｻﾞｯｸ｢……。｣
ﾚｲ｢……ザック。｣
ｻﾞｯｸ｢へーへー。｣
___ｷﾞｷﾞｷﾞ、ｷﾞｷﾞ…
ｻﾞｯｸ｢重てぇえぇえええ！！｣
『ザックでも動かないのか……』
ｻﾞｯｸ｢じゃねえ！！
お前らも手伝え！二人サボってんじゃねえよ！！｣
ﾚｲ｢あ！｣
ｻﾞｯｸ｢｢あ！｣じゃねぇよ！！｣
『チッ……バレたか。』
ｻﾞｯｸ｢バレるわ！！｣
……
『や、…と動かしたァ……』
このピアノ…ほんっとに重い…
3トンぐらいあるんじゃ…
ｻﾞｯｸ｢……おい、ホントにこんなところに出口があんのか？｣
ﾚｲ｢わからないけど……あの神父様は嘘はつかない気がする。｣
『それには私も同意。』
ﾚｲ｢下のフロアに戻る時も、ちゃんと連れて行ってくれたし。｣
ｻﾞｯｸ｢…あー、そうだけどよぉ。｣
ﾚｲ｢カギ穴がある……！！｣
ｻﾞｯｸ｢カギ穴？｣
ﾚｲ｢うん。だから出口はきっとこの向こうだよ。
でもカギがかかってる……｣
ｻﾞｯｸ｢カギねぇ……｣
ﾚｲ｢カギ……｣
『ヤバいこと人たち、このビルに入って器物損壊ていう言葉を失ってる。』
絶対壊すじゃん。
だから、その二人で見つめ合うのやめて？
ﾚｲ｢……ザック。
たぶん今、同じこと考えてるよ。｣
ｻﾞｯｸ｢おー！
よくわかってんじゃねぇか！｣
『ねーえ、ガラスだよ？
危険だよ？』
ｻﾞｯｸ｢今にも沢山危険なのあっただろ！
下がれ！！｣
ﾚｲ｢ほら、一緒に下がろ、夢女。｣
『折角綺麗なステンドグラスなのにぃ……』
ｻﾞｯｸ｢こんなもん、
壊しゃあいいんだよ！！！｣
____ﾊﾞﾘｨｲｲｲﾝ……ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ、
ｻﾞｯｸ｢おらよ！｣
ﾚｲ｢……うん。｣
『横暴だ、横暴。』
ﾚｲ｢すごい。｣
ｻﾞｯｸ｢…、｣
ﾚｲ｢？｣
ｻﾞｯｸ｢…お前、驚かなくなったな。｣
ﾚｲ｢……慣れたの。｣
『破天荒なザックと行動してりゃ、慣れるってさ。』
ｻﾞｯｸ｢……拗ねてんのか？｣
『別にー？』
ステンドグラスを割った先には、長い階段があった。
上が見えないくらいまでの。
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作者名：春猫
| 作成日時：2020年12月27日 3時
