【キミガシネ】もし愛する君と帰れたならば。1

黒さんリクエスト.ネタバレ注意！スーツメガネ ページ36

.

ハヤサカside.





僕達ダミーズの役割は"人間を殺すこと"じゃないと彼に殺されてしまう。
ずっとずっと機会を疑ってきたんだ。
けど、

ｷﾞﾝ｢早く行くニャン、スーツメガネ！｣
ﾊﾔｻｶ｢あ、ああ……｣

こんな子供を殺せる訳がないだろう…？
でも、殺さなきゃ…僕が……。


『ギンー！！』
ｷﾞﾝ｢あ、夢女姉ちゃん！｣

あれは確か"立川夢女"さんだったはず。
高校生なのに強いなぁ…僕なんかより。


ｷﾞﾝ｢一緒に探すワン！｣
『うん、いいよ！』

そ、それは困る。いつ殺せるかわからないじゃないか。
彼が捕まるよりも先にギンくんを殺さないといけないのに…


……


『んー、ないなあ…』
ﾊﾔｻｶ｢……｣

時間が少し経ちここにいるのは僕と夢女さんだけ。
ギンくんと夢女さんのダミーズは隣の部屋に探索しにいってしまった。
離れすぎると首輪が締まると聞いたけど隣の部屋ぐらいだったらいけるんだな…。


『ハヤサカさん！』
ﾊﾔｻｶ｢！？な、なんだい…？｣
『あれを調べたいのでちょっと支えてもらえませんか？』
ﾊﾔｻｶ｢うん…わかったよ。｣

上の棚にある物を調べようとしているらしい。
支えといっても彼女の身体を触ってしまうのだ、たとえ女子高生といえど女性は女性。触るのには抵抗がある。
でも仕方ないか。


『…ハヤサカさんは一体何の情報を持っているんです？』
ﾊﾔｻｶ｢えっ…｣ﾄﾞｸﾝｯ

僕らにしか言い渡されてない秘密。

『私のダミーズにも聞いてみたんですけど…一緒なのか気になって…』
ﾊﾔｻｶ｢ぼ、僕のは……｣

言いたくない。これを知られてしまったら…
間違いなくギンくんを遠くへ行かせて僕の首が飛ぶだろう。それだけは嫌だ…！


ﾊﾔｻｶ｢……｣

一体どうやってこれをくぐり抜けたらいい？
夢女さんの情報はインプットされている。とても頭が切れる子だ。
どうやったら___。



『……言いたくないなら良いですよ。貴方にだって言えないことだってあると思いますから。』
ﾊﾔｻｶ｢え……｣
『その秘密を他の主に喋ったら首が飛んじゃうとかあるかもしれませんしね。やっぱり聞かなかったことにしてください。』ﾆｺｯ

ﾊﾔｻｶ｢____。｣

夢女さんはニコリと笑う。
どうして笑えるんだ？
彼を捕まえるにはダミーズのことなんか後回しにして無理矢理情報を聞き出せばいいのに。
彼を掴まれえなかったら君たちを支えてくれたあのケイジさんが死ぬかもしれないのに。

どうして…







.

.→←プリンさんリクエスト.ネタバレ注意！ソウとワカメ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す