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「……あー、楽しかった。お疲れ」
望月が満足げに言い、傍らにあったメガネをかけた。
「っはぁっ……、お、わり…………?」
雪は、望月の隣に寄り添うように横たわっている。望月から行為の終了を宣言されると、一瞬寂しげな表情を見せた。まだ先程までの熱が冷めきらないらしく、胸が激しく上下している。
「あ、大丈夫? 動ける?」
心配げに顔を覗きこんでくる望月に、雪はプルプルと首を横に振る。そんな雪に、望月は優しく微笑むと、雪の乱れた黒地のセーラー服を整え始めた。

 「あー、今日はゴメンねー。雪がかわいかったから、思わずがっついちゃったよ」
「あ、いえ、その、気にしないでください……。その、先輩と一緒に入れるだけでも、私、いいですから」
後片づけも後始末も全て済ませ、二人は美術室の席に、向かい合わせで腰かけていた。
 ふと、雪は思った。こんなこと、もし、皆にバレたら。私が、女と、しかも、皆の憧れの的である望月先輩とこんな事してるって皆にバレたら……。
「雪。どうしたの? 何かあった?」
何かを察したのか、雪に話しかけてくる望月。それに促されるかのように雪は話し始めた。
「……望月先輩。私、怖いんです。皆に私達の関係がバレたらって思うと……」
それを訊いた望月はフフッと不敵に笑うと言った。
「大丈夫。皆にバレたって、何されたって、雪は誰にも渡さない。それでいい?」
「……先輩、さっきの言葉、本当ですか?」
コクリと頷く望月。
「やった!! 嬉し……んっ………」
雪の言葉は突如、遮られた。
 窓から入ってくるオレンジ色の光が、二人の優しい時間を包み込んでいた。

なれそめ→←二人の関係



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設定タグ:百合 , 束縛 , 倒錯   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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イワナガ印の腐った猫缶 - 誠に勝手ながら、しばらくこの小説の更新をお休みさせていただきます。更新を楽しみにしてくださっている皆様には、本当に申し訳ございません。 (2017年12月27日 13時) (レス) id: 4b9c3cb198 (このIDを非表示/違反報告)
イワナガ印の腐った猫缶 - ムスカリ@ハイセファンクラブさん» ひぇえええええぇえぇええ!! あ、ありがとうございます!! そういっていただけて嬉しい限りです! ご期待にそえるよう、これからも更新頑張ります! コメントありがとうございました! (2017年12月18日 22時) (レス) id: 4b9c3cb198 (このIDを非表示/違反報告)
ムスカリ@ハイセファンクラブ(プロフ) - 私この作品とても大好きです!これからも更新頑張って下さい! (2017年12月18日 0時) (レス) id: f0fd22494b (このIDを非表示/違反報告)
イワナガ印の腐った猫缶 - 今まで失踪すいませんでした! スランプちゃんが私の所に来ていたものですから……。これからは、なるだけちゃんと出しますので……。これからもよろしくお願いします!! (2017年12月17日 22時) (レス) id: 8440609dae (このIDを非表示/違反報告)
イワナガ印の腐った猫缶 - おかげさまで、1000hitを達成することができました! これもひとえに、いつも読んでくださっている皆様のおかげです! これからも、この二人の物語をお楽しみください!! 今回は本当にありがとうございます!! (2017年11月30日 21時) (レス) id: 8440609dae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イワナガ印の腐った猫缶 | 作成日時:2017年11月12日 3時

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