【再】 ページ9
羽崎「水空さん…。」
そう言って呼び出されたのは、お偉いさんのお部屋。
羽崎「…水空さんのお母様から電話がかかってきた。」
その瞬間、血の気が引いた。
『…え?』
羽崎「いま、こっちで対応はしてるけど、多分おうちもバレてると思う。
…引っ越しした方がいいと思う。」
『…わかりました。』
ラウ「…大丈夫?」
『…ちょっと寝不足でね。』
内心気が気じゃなかった。
また何かされたら。
幸せはまた、あっという間に奪い去られちゃうのかな。
そう思いながら、私はパソコンと向き合った。
佐々木「…身バレした!?」
『…そう。』
この日、会う約束をしてたさっちゃんには、話さないとと思って、今までのことを全部話した。
途中、さっちゃんが大号泣して、慰めるのに必死だったけど。
佐々木「…けど、なんで今更近づいてきたんだろうね。」
『…さあ。』
佐々木「けど、いっそのこと会って話を聞いてみたら?
…事務所の人込みで。」
『それもそうだね。』
物心ついた時から、母親は私に対して虐待をしていた。
…何でもかんでも思い通りにならないと、気が済まない人だった。
父親は、家庭に一切関わりを持たない人で、酒癖の悪い人。
…ことあるごとに、お前のせいだとかって言って、母親や私に暴力を振るった。
…今思えば、お母さんはお父さんに支配されていたのかもしれない。
一度だけ、私に「ごめん。…こんな母親で。」と話していたのを覚えている。
…もし、本当にそうなら。
会って話がしたかった。
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作者名:ひな | 作成日時:2023年12月20日 17時