拝啓、15の君へ (ページ12)

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【知】ページ12

病院

深澤さんは今診察室にいて、他のメンバーは、待合室にいる。

岩本『…ふっかってさ。1人で抱え込んじゃうんだよね。…でも、空ちゃんは知ってたんでしょ？俺らの知らないふっかの秘密。』
『…はい。』
岩本「そっか。」

『…深澤さんとは、あの屋上で知り合いました。
お互い、死にたかったんです。…私はこの世界が苦しくて。深澤さんは、誹謗中傷に耐えられなくて。
…でも、深澤さんは私を助けてくれました。…そして、みんなと出会わせてくれました。』

『…ずっと苦しかったんだと思います。
…だから、もう無理してほしくない。』

阿部「俺らの方がもっと長い時間一緒にいたのに、ふっかのこと分かった気でいた。
…大きいものをずっと背負わせてしまった。」

『…そんなことないと思います。

深澤さん、よく言ってたんです。…俺はメンバーがいるから頑張れるんだって。

…だからこそ、我慢しすぎたんでしょうけど…。』

深澤さんは鬱の一種だと診断された。

それが分かった時、なんだか少しホッとしたような、そんな表情を見せた。

そして、半年間の休養を発表した。
そこには、きちんと理由も添えて。

愛は歪んで、時には毒となる。
そして、一番伝わって欲しい愛はその人には届きづらい。

でも、それでも僕らはずっと、愛を求めるんだ。

深澤「優愛、ありがとう。」
『…私の方こそ。』

ほら、ここには小さな幸せがあって、愛が灯ってる。

拝啓、15の君へ。

いま、貴方は幸せですか？

きっと、苦しい、辛い日々を毎日過ごしていることでしょう。

でも、今の私は幸せです。

大切な人がそばにいて、毎日とても楽しいです。

…だから、どうか諦めないで。

明日はきっと晴れるから。

FIN