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ドラマ班とやらは分からないけど、深澤さんは真面目な人。
だから、こんなに自分を傷つけてまで、この仕事を続けてきたんだろうな。
…でも。
『辛い、ですよね…。』
深澤「ん?」
『…笑ってても、心は泣いてる。助けてって言ってる。この声を聞いてほしいって泣いてる。』
深澤「…そうかもね。…俺、もう耐えきれなくなっちゃってさ。
何もかもやめたい。死にたい。楽になりたい。…そう思ったからここにきたんだよね。」
深澤「でもね、お姉さんの話聞いてたらやっぱり死ぬのやーめた。」
『そう、ですか…。』
なんとも言えないこの感情。
…今から私は死ぬっていうのに。
深澤「だからお姉さんもどうせ死ぬなら俺にその命預けてさ、もう少し一緒にこの世界楽しんでみない?」
『え?』
深澤「…俺さ、分かっちゃったんだよねー。俺らに足りてないもの。」
『足りてないもの、とは。』
深澤「…愛。満ち足りた愛。愛されてるなって思う愛。」
『愛…。そうかもしれませんね。』
深澤「…愛してほしかったのかもね、俺ら。」
『…そうですね。』
深澤「だからさ、今から愛、探しにいかない?」
『…なかなかの痛い人ですよ、今。』
深澤「ははは!笑 確かにね。…でも俺は本気だから。」
『…もし、見つからなかったらどうするんですか?』
深澤「…その時は一緒に楽になろ。」
『…分かりましたよ。探しにいきましょう。愛を。』
深澤「行こっか。」
少しだけでもいい。
この世で私が温かい愛を受けてもいいのなら。
愛してくれる存在がいるなら。
本当の愛を見つけたかった。
見せかけの愛でもなく、偽りの愛でもなく、誤った愛でもない、
“本物の愛”を。
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作者名:ひな | 作成日時:2023年12月20日 17時