#おかーさんのこと ページ13
きょうはおかーさんに久しぶりに会いにいける日。
となりには，ひーくんと滝沢くん。
ひーくんがついてきたのは、滝沢くんが少しおかーさんとお話しすることがあって、
その間の相手をわたしがしてくれるんだって。
だから，すごく楽しみなの。
私のだいすきなせんぱいをおかーさんにしょうかいできるんだもん。
…でも申し訳ない気持ちがある。
だっていっつも滝沢くんに頼まれてわたしのめんどうみてくれてるからさ。
「…いつもごめんね。」
岩本「ん？なんで？」
「だって、いつも滝沢くんに言われてわたしのところにきてくれてるでしょ？
…今だって忙しいのについてきてくれて。」
岩本「…Aは、俺に申し訳ないって思ってるの？」
「…うん。」
岩本「…俺に会って悲しい？」
「ううん！…すっごく嬉しい。
いつもやさしくて、ちからもちで。…何よりとってもかっこいい。
だから、だいすき。…いまも、おかーさんにしょうかいできるのがうれしい。」
岩本「…そっか。ありがと。」
そう言って、そっけないひーくん。
でもね、みみがまっかなの、わたしきづいてるからね？
岩本「…俺も会えてうれしいよ。」
ぎゅっとてをにぎってくれた。
その手はとってもあたたかくて、わたしのなやみをふきとばしてくれた。
「おかーさん！」
母「A！…元気にしてた？」
「うん！」
岩本「はじめまして。岩本照と言います。」
母「あら、うわさのひーくんね？
うちの子いつもメールに岩本さんとの話も書いてくれてて。
…ありがとう。」
岩本「…こちらこそです。」
しばらくおかーさんと最近あったはなしをしてたら、滝沢くんが話しかけてきた。
滝沢「ちょっと話するから、岩本と遊んでてくれる？」
「はい！」
そういわれて、ひーくんと手を繋いで部屋を出る。
「ねー、なにして遊ぶ？」
すこしきになったけど、わたしのあたまのなかはすぐにあそびのことでいっぱいになった。
＿＿＿＿＿
(母side)
ひでとふたり。
「ねえ、なに話って。」
滝沢「見つかった。…治療法。
でも、＿＿＿＿＿だって。」
言葉が出てこなかった。
…でも生きたかった。
あの子の成長を、あの人も分まで見届けたいから。
「その手術、やる。
生き抜いてみせるから。
＿＿＿＿＿たとえ、あの子が大人になるまで目が覚めなかったとしても。」
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作者名：ひな | 作成日時：2024年2月23日 14時
