もう一度だけ (ページ7)

今日:21 hit、昨日:47 hit、合計:6,742 hit

6話　私と貴方と。ページ7

目黒「おはようございます。」

『おはようございます。どうぞ。』

蓮を送迎車に乗せて撮影現場まで向かう。

蓮からは、付き合ってた時にはしなかったタバコの匂いがして。

…私のせいだ。

そう思った。

『着きました。』

目黒「ありがとうございます。」

撮影現場に着くと、お偉いプロデューサーさんがいて。

プロ「やあ！これはこれは目黒くんじゃないか。今日も頼むぞ。」

このプロデューサーさんは業界では有名で、私も嫌いな人だ。

目黒「…はい。」

『目黒さん、行きましょう。』

こんな場に、蓮を居させたくなかった。

目黒「…白川さん、ありがとう。」

『いえいえ。…こういうことしかできませんが。』

そうこうしているうちに撮影スタート。

撮影が終わるまでの間、どうしよう…。

…飲み物買いに行こうかな。

近くの某有名コーヒー店に着いて、カスタムを選ぶ。

…蓮はこのカスタムが好きだったから。

私にできるのはこれだけ。

『お疲れ様です。…はい。この飲み物お好きですよね。』

目黒「…！ありがとうございます。これ、好きなんです。」

蓮は少し微笑んでいた。

帰りの車

赤信号で車が止まる。

ふと蓮を見ると、窓の外を見ながら、独り言を言っていた。

目黒「…会いたくない人には会えるのに、一番会いたい人には会えない…。」

聞こえてないふりをするけど、内心気が気じゃなかった。

『着きましたー。お疲れ様です。』

目黒「お疲れ様です。」

見慣れたマンションの中に入っていく蓮の背中を見つめる。

…蓮、寂しいだろうな。

2人で暮らしてた広い部屋で、1人で過ごして…。

『…蓮(泣)ごめんね…っ(泣』

一番伝えたい人に伝えられないことももどかしい．

でも、それ以上に、蓮に悲しい思いをさせている自分に腹が立った。

＿＿＿＿＿＿＿＿

他の作品とごっちゃになって、主人公の子のお名前を間違えてしまうという大失態をしたので訂正します💦
正しくは、「白川さん」です…。(ぜひ間違えた作品【拝啓、15の君へ
】の方も見てみてください！笑)