4.どうしよっか。 ページ5
かたり
心の端で、なにかが落ちた気がしました。
「及川それは言いすぎだろ!」
「岩ちゃんは黙ってて」
珍しく岩泉が及川に止められた。
それを呑気に見ている私。
どうしよっかな。
入部すらしてない私には選択肢がたくさんある。
もう来るのをやめる。
今、冗談だよ、と言う。
ごめんね、そういう事じゃなくてと謝る。
それから、それから、
ほら、こんなにあるの。
でもね。
好きなんだ。みんなが。
でもね、
嫌いなんだ。団体競技が。団体で、やっていく部活が。
1人が崩せば、たちまち全部が崩れてしまう団体競技。
_______________大嫌い。
「俺さ、Aが中学校のころ大変だったの知ってるよ。話、聞いてたしね。
部活嫌いだから、手伝いだけっていうのも知ってるよ。
でもさ、それは違うんじゃない?」
及川が愚痴を聞いてくれてたあの頃。
自分も大変だったのにね。自分のことばっか。自分勝手な私の愚痴を同感しながら聞いてくれた。
嘘すらも見抜かれてるなんてわからなかったけど。
顧問が嫌い。
部員が嫌い。
部活が嫌い。
中学校のころの私の口癖は部活辞めたい。
今思えば、私が1番うざっかったのかもしれない。
過去のことだから、もういいんだけど。
「俺らと同じ気持ちだと思ってたよ。いつも来てくれてさ、部員のことちゃんと見て、試合で一緒に喜んでくれて。」
やめろ及川、と岩泉の声。
幼なじみだから、この先は予想出来るんだろう。
幼なじみじゃない私でも、予想できるんだもんね。
「違ったみたいだね。俺はさ、」
『もういいよ及川。』
『私、来るの辞める。』
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零 - まぁ、これは友情が尊いってことだよな、友達が自分を変えてくれたから、今の自分があるわけで、皆が、自分の事を思ってくれたから今があって…いや、待ってほんとに素晴らし過ぎて語彙力なくなる。 (2022年11月10日 23時) (レス) id: 111965e9b2 (このIDを非表示/違反報告)
琉依 - 苦しい、友情、自分がとても弱くて惨め、この小説でそんな事を思いました。自分が弱くて情けないこと、友情がとても素晴らしく、尊いこと、本当の友達がいると、上を向けること、苦しさや辛さが挑戦してみよう、頑張ろうという気持ちになることを学びました。作文神。 (2022年11月10日 23時) (レス) @page42 id: 111965e9b2 (このIDを非表示/違反報告)
カナメ(プロフ) - いい話すぎて泣きました。まじで大号泣です。なんか、もう語彙力ないけど、それほどいい話です! (2022年5月7日 3時) (レス) @page41 id: 694ea1db16 (このIDを非表示/違反報告)
岩みいる(プロフ) - ネネさん» ありがとー!!私も書けなくなるのはちょっと寂しいけど読み専で漁ることにするよ!ネネちゃんこれから頑張ってね!閲覧ありがとうございました! (2017年5月11日 20時) (レス) id: 83c5b2af5f (このIDを非表示/違反報告)
ネネ(プロフ) - みいるお疲れさま――!みいるの作品はぜーんぶ大好きで退部系は制覇しているネネ氏だよ!!みいるが卒業しちゃうのはちょっと惜しい気がするけどまぁみいるらしいっちゃらしいから問題ないよね!これからも仲良くしてね!!!!! (2017年2月11日 16時) (レス) id: 6945d4cfda (このIDを非表示/違反報告)
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