30.久しぶりのこの空気は ページ31
日曜日。特にオシャレなんてせずに黒尾と体育館。
『……その人は?』
「あぁ、俺の高校んときのチームメイト。」
「夜久です。はじめまして」
栗色の髪に少し小さい背。初めまして、前原です、と返した。
今日は孤爪さんは誘いを断られたらしい。聞いてないけどそんなこと。
そんなことを喋ってたら試合が始まった。
とこからともなく伝わってくる緊張感。
よく、ここからみんなを応援していたことを思い出した。
懐かしい、そういう言おうとしたら夜久さんと重なった。そっか。夜久さんもバレー部なんだっけ。
「前原さんは女子バレー部?」
ふと、そんなことを聞いてくるもんだから、マネージャーでした、と言おうとした口を無理やり閉じた。
……やってること、マネージャーと変わらなかったもんね。
いいよね、マネージャーって言ったって。
『いえ、男子バレー部のマネージャーでした』
「えっ、嘘どこの?」
『青葉城西ってとこです』
多分、知らないだろう。
たった少しの見栄。
んんん、知らないな、と頭を捻る夜久さん。
「あ、いや、サーブすごいやつがいるとこだろ! 」
記憶の片隅にあったのか、少し嬉しそうな顔をしてこっちを向いた。
及川のことだ。
凄いのは、及川だけじゃないんだけどな。まあ、仕方ないか、と思うのは、
今になって、私は仲間の中にいたなんて見栄をはっている証拠なんだけども。
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零 - まぁ、これは友情が尊いってことだよな、友達が自分を変えてくれたから、今の自分があるわけで、皆が、自分の事を思ってくれたから今があって…いや、待ってほんとに素晴らし過ぎて語彙力なくなる。 (2022年11月10日 23時) (レス) id: 111965e9b2 (このIDを非表示/違反報告)
琉依 - 苦しい、友情、自分がとても弱くて惨め、この小説でそんな事を思いました。自分が弱くて情けないこと、友情がとても素晴らしく、尊いこと、本当の友達がいると、上を向けること、苦しさや辛さが挑戦してみよう、頑張ろうという気持ちになることを学びました。作文神。 (2022年11月10日 23時) (レス) @page42 id: 111965e9b2 (このIDを非表示/違反報告)
カナメ(プロフ) - いい話すぎて泣きました。まじで大号泣です。なんか、もう語彙力ないけど、それほどいい話です! (2022年5月7日 3時) (レス) @page41 id: 694ea1db16 (このIDを非表示/違反報告)
岩みいる(プロフ) - ネネさん» ありがとー!!私も書けなくなるのはちょっと寂しいけど読み専で漁ることにするよ!ネネちゃんこれから頑張ってね!閲覧ありがとうございました! (2017年5月11日 20時) (レス) id: 83c5b2af5f (このIDを非表示/違反報告)
ネネ(プロフ) - みいるお疲れさま――!みいるの作品はぜーんぶ大好きで退部系は制覇しているネネ氏だよ!!みいるが卒業しちゃうのはちょっと惜しい気がするけどまぁみいるらしいっちゃらしいから問題ないよね!これからも仲良くしてね!!!!! (2017年2月11日 16時) (レス) id: 6945d4cfda (このIDを非表示/違反報告)
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