下を向いてもいいですか。【青葉城西】

28.これだけ言わせて ページ29

及川side






入畑監督に聞いたら、渋々教えてくれた。多分Aに口止めされてたんだろう。








それでも、聞かなきゃいけないから、会わなきゃいけないから。なにより、会いたいから。






運がいい。







合宿の場所と就職先の場所が近い。









どうにか抜け出して会いに行く。









会いに行って思いっきり抱きしめる。








そしてごめんって、ありがとうって伝えれなかったこと全部言う。








｢……それ、1人でやろうとしてんじゃねぇだろうな及川ぁ？｣








｢ぎゃ！？岩ちゃん！？何でここにいんの！｣








後ろから聞こえてくる昔と変わらない幼なじみの声。









授業は違えどサークルは同じだったんだ。









マッキーとまっつんは離れちゃったけど。








｢俺も行きます｣









国見ちゃんがいつの間にかいた。









みんな、同じなんだね。







もうあの時のメンバー全員連れて行く？なんて無理なこと考えた。







本当はそのほうがいいんだろうけどさ。無理だから、あの時とった写真持ってくことにしたよ。







俺さ、こんなに男っぽくなったよ？






ちゃんと成長したんだよ。








俺も、大人になったんだ。なれたんだよ。







それは岩ちゃんも国見ちゃんも一緒の事で、あの時の俺らはもういないんた。







今いるのは、これから未来を変えに行く、過去を背負った俺たちなんだよ。








だからさ、これだけ言わせてよA。








ごめんね、ありがとう。

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