モデブの憂鬱【青葉城西】

モブ＆デブ39 ページ41

ー国見ー


｢及川さん、今日皆で勉強会するって言ったの誰ですか｣



あまりにも図書室に来ない及川さんを呼びに来る。



岩泉さんが行けばいいだろと思ったが



｢あいつ、このごろ好きなやつができたんだろ。


俺は恋愛とかわかんねぇから｣




国見が行ってくれと頼まれた。



俺だってわかりませんとか言えずに



及川さんより主将な岩泉さんの言うことを聞くことになった。



というか岩泉さんにバレてる及川さんってどれだけ嘘下手なんだろう。



｢俺だけど‥‥ごめんって！もふもふしてた！｣



ふざけんな。



俺だってもふもふしたい。



｢早くしてください、坂本が馬鹿過ぎてみんな手がつきません｣



なんて、俺が坂本と一緒にいたくなかったから抜け出して来ただけだ。



岩泉さんはそれを察してくれたのだろう。



少し静かになった及川さんを見つめる。



早く動けと言いたいところ。



｢ねぇ国見ちゃん。もし俺が、Aにキスしたって言ったら、






どうする？｣






少しだけ






思考が固まった。





だめだ、平常心を保て。





この人にリードさせるな。





考えろ





今、佐藤については俺が有利なんだ。




｢‥‥ほんとにそう思ってるの？



毎日Aちゃんの体に触ってるのは






紛れもない




俺、なんだよ？｣






この時はじめて









自分の立場を知ることになる。

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