いわく(テテ)つき物件 *続

73 リンゴ ページ24

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入院してもう2週間とちょっと経った昼下がり。





私はうたた寝していたみたいだ。



目を覚ますと、椅子にカバンが置いてあって、誰か来てるみたいだ。









ガラガラッ


『あ、起きた？』

「ごめん寝てたね」






ジミン君が一枚のお皿を手にこちらへ来た。




『りんご剥いてみたんだけど、ガッタガタになっちゃった///』





そこには明らかに削りすぎた不細工なリンゴと、
それを持って糸目で照れ笑いするジミン君。









不覚にもキュンとした。







この人はどこまで私に尽くしてくれるのか。


それと共に、心から申し訳ない気持ちになった。









「……ありがとう。じゃあいただきます」

『どうぞ食べて食べて！！』


リンゴを一口。



「美味しい」

『ほんと？！』




リンゴ農家の人に感謝だなっ☆
なんて言いながら一口頬張るジミン君。









「ジミン君……お願いだから、もう優しくしないで……
私、ジミン君の気持ちには…応えられないの…っ…」




『Aちゃん………泣かないで？』







私の頰の涙をそっとぬぐってくれるジミン君の手。




ふとジミン君を見上げてみると、すごく切なそうな顔でこっちを見ていて。









この雰囲気はキスされるって、
そう思ってたら顔が近づいて来て…









ガラガラッ





[〇〇さーん、点滴変えますねー]








あそこで看護師さんが来なかったら、私はどうしていたんだろう？






ジミン君のキスを受け入れていたんだろうか…。


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