いわく(テテ)つき物件

47 行かないで ページ48

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「今日は寝ないよ」




『ダメだよ、明日仕事でしょ？』




「そんなのどーだっていいよ」





『も〜珍しいな〜Aがわがまま言うなんて笑』





「寝てる場合じゃないよ……」






『ほら、ベッド入ろ？』









テヒョンに促されて一緒にベッドに入り、向かい合う。








『A目がとろんとしてるよ？』





「眠くないもん」






『ふ〜ん笑』





「テヒョン」





『ん？』









「すぐ……すぐに戻って来てね…」





『ぅん』







「すぐ………すぐだか……ら…ね……………」









………………









ハッ！



いつの間にか寝てしまっていたようだ。






寝ないつもりが、焦って目を開けると、






テヒョンはまだ目の前にいた。









「こんな状況で仕事なんか行けない…どしよう、今日も有給を…」






『月末はいつも残業するくらい忙しいよね。行ったほうがいいよ』





「テヒョンがいなくなりそうなのに、仕事なんか行けるわけ」






『大丈夫だよ！Aが帰ってくるまでは大丈夫だと思う』





「ほんとに？………絶っ対に待っててね？？！約束！！」





『うん、いってらっしゃい！』






あと何回、テヒョンのいってらっしゃいを聞けるのか。



もしかしたら今日のが最後だったのかなぁ。









職場に来たわけだけど、まったく集中できない。




テヒョンと出会った頃のことがフラッシュバックした。





部屋決めの内見で、ちゃんと確認したはずがそこはいわく付き物件で、





テヒョンは最初からめっちゃ馴れ馴れしくて、


私はテヒョンと距離縮めたくなくて、最初敬語を使っていたっけ。笑







まんまとテヒョンの天真爛漫な性格に心を開かされて、いつの間にか好きになって______








ダメだ思い出しただけで視界がボヤけてくる。切り替えなきゃ。








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月末で忙しかったけど、なんとか定時で仕事を切り上げ、急いで家に帰る。








早く、早く。




でも落ち着け。





ここで事故にでもあったらしゃれにならない。









バタバタバタバタバタバタッ






ガチャッ









「テヒョンっ！！？！」





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