いわく(テテ)つき物件

43 一夏の思い出 ページ44

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日本の夏は、じめっとしてて苦手だけど
お祭りはやっぱり好き。



たくさんの人で賑わってる感じと、
出店のあの鉄板が並んでる姿、
人々が浴衣を着て楽しんでる姿を見ると
あぁこれが一夏の思い出なんだな、いいな〜って
そんな風に思う。




あまり美味しくないはずの出店の唐揚げだって、
あの雰囲気で食べればとっても美味しく感じる。

それがお祭りマジックだ。






それに好きな人と来る祭りって
なんでこんなにも格別なんだろう？



一緒に出店を物色してるときとか、
ただ単に一緒に歩いているだけでウキウキしちゃう。




出店をぐるっと回ってやきそばやら色々買って
河川敷に座って食べる。




「やっぱりお祭りってにぎやかでいいね〜」


『そうだね』





「ほら、あそこ見て？中学生くらいの女の子たちが浴衣着てキャピキャピしてる姿がとっても可愛い」


『あれくらいの時って何しても楽しいもんね』



「若い時ってささいなことで感動するしテンション上がるし、多感だったよね」



『そんなババアみたいなこと言うのやめてよ笑』





「思ったんだけど、テヒョンは歳とらないから、
私だけどんどんおばさんになっちゃうよね？」



『うん』



「テヒョンは21歳の顔のままだけど、
私の顔はこれからシワも増えて、
40歳になったら完全なるおばさんになっちゃう。

私のこと好きでいられなくなるんじゃない？」





『俺はAの存在自体に惚れてるから。
だから、しわくちゃになろうが、姿形なんて関係ないんだ〜
もしAが先に死んだとしても、残像だけ愛して生きていける』



「残像w言葉のチョイスw」



.


『あ、もうすぐ花火始まるんじゃない？』



花火の時間が迫って来たから移動したけど、
遅かったのか後ろの方の場所しか取れなかった。



『もうちょっと前で見たいな〜』


「そうだね」



『ここじゃ遠すぎる』


「しょうがないね〜」




『俺前で見て来ていい？』


「は？」



スーーーーーーーー






幽霊の特権を使って、前の方にいってしまったテヒョン。


彼女を置いてけぼりにして見に行く男がどこにいるんだよ笑




それがキムテヒョンだ。


他の子にこんなことしたら一発でふられるからね！



本当に君には私しかいないと思うよ。

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