溺愛男子【岩橋玄樹】 (ページ8)

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ああ、もういいや。

恥も世間体もそんなもの知らない。

この子の意志さえ気にしない。

俺はこの子を連れて帰る。

目の前で無防備に眠る女の子を見ていると、触りたくなる衝動が沸き起こる。

頬を覆い顔を隠してる髪を避けて耳に掛けてやると汗をかいていて、うなされているのか眉間に軽く皺も寄っていた。

辛そうなのに、荒い呼吸に不謹慎にも欲が膨らんでいく。

自分の理性を必死に働かせて何とか押し止めると、財布を持ってマンションの下のコンビニに行く。

家には薬も熱冷ましの冷却シートも何もないから、必要なものを買って速攻で戻る。

たった数分の事なのに、どういう訳か女の子の傍を１秒たりとも離れたくなかった。

玄「起きれる？とりあえず薬飲もうか。」

薬を飲ませるために女の子を起こすと、朦朧とした意識の中で俺に応える。

貴「むぅ～、クスリ…きらい。」

うわっ、何この生き物、可愛いんだけど。

玄「キライ、じゃないよ。文句言うなら俺が飲ますよ。」

貴「……自分で、飲みます。」

チェッ←

流されればいいのに。

なんとか薬を飲み込んだのを見届けて冷却シートを額に張り、また眠らす。

俺っていつからこんなに世話焼きになったんだろう？

自分で自分が信じられない。

しばらくすると薬が効いてきたのか静かな寝息をたてている。

その眠る姿を見て安心すると、いつもより早い時間だったけど俺も寝ることにした。

少し躊躇はしたけど、女の子が眠るベッドに自分の身体も滑り込ませる。

横に寝そべり肩肘をたてて頭を乗せ、もう片方の腕で隣に眠る女の子の頭を撫でる。

俺は早く治るようにと願い、頭を撫で続ける。

すると、少しずつ瞼が重くなったいくのを感じた。

今までに感じたことのない安心感と幸福感に

心が疼くのを気にしながらも深く眠りについた。