溺愛男子【岩橋玄樹】 (ページ5)

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貴「なんでお姫様だっこ？」

玄「ん？だって、寝てたし。」

貴「…起こしてよ。」

玄「うるさいと熱、上がるよ。……俺がしたかったんだからいいでしょ、大人しく運ばれてて。」

貴「……。」

はぁ、もう身体だるいし、タダで運んでくれるって言うんだからもういいかな…。

人間、諦めが肝心だよね。

そんな事を考えていたら、マンションの一室、男の部屋に着いていた。

広い……。

やっぱジャニーズってすごいなぁ。

本人から直接ジャニーズって聞いた訳じゃないけど、もう確定だね。

うん、そうだろう、そうしよう。

しかも、一人暮らしなのかな？

玄「ちょっとここで待っててね。」

ソファーに下ろされて、男を見上げる。

玄「熱あるけど、こんなに濡れてるし、お風呂入って。今、沸かしてくるから。」

男はそれだけ言うと、私の頭を一撫でしてからドアの向こうに消えていった。

用意されたお風呂に入り、体を洗い、湯船に使って冷えた手足を温める。

それにしても、マンションの最上階、広い2LDKって…。

一人暮らしだと思うけど広すぎない？

世の中って不思議～。

コンコン。

…ん？

玄「ねぇ、大丈夫？」

！！！

貴「ちょっ…なっ！！なに、なに！！？」

玄「よかった～、無事だね。」

貴「当たり前でしょ。も～、ビックリしたー…。」

意外に時間が経ってたらしく、心配して様子を見に来てくれたらしい。

他人の家でお風呂を借りて、心配までしてくれてる人に対してこのセリフ…、すみません。

と、心の中で謝っておく。

玄「ごめんね？、心配だったんだよ。」

うわっ、何この人。

いい人すぎない？芸能人だから？

あっ…芸能人だからって良い人ばっかじゃないか……。

でも私、お金持ってないんだけどなぁ…。

貴「お風呂…ありがとー…。」

貸してもらった服を着て、リビングにいる男に声をかける。

玄「ん。暖まった？」

優しい声で聞いてくるから、少し恥ずかしくなって俯きぎみに答えた。