溺愛男子【岩橋玄樹】 (ページ11)

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男の子が密着していた身体を少し離し、私の顔を覗き込んだ。

玄「で？具合はどう？」

貴「あ、お陰様で元気になりました。…ありがと。」

玄「おぅ。」

昨夜は意識が朦朧としてたけど、薬や冷却シートなど世話をしてもらったのをなんとなく覚えている。

でも、なんで？

貴「私なんでベッドで寝てるの？」

玄「ああ…、あのさ、床で寝てる病人がどこにいるの？俺がベッドまで運んだの。」

貴「だって…、冷たくて気持ちよかったんだもん。」

はあ、と大きめにため息をつかれた。

玄「まあいいや、俺が何度でも運んであげるよ。」

男の子はさらっと可笑しな事を言ってベッドから身体を起こした。

玄「起きれる？」

貴「ん、起きる。」

私もベッドから出て、２人でリビングに行った。

私がソファーに座ってぼーっとしてる間に、男の子がコーヒーを煎れてくれて、

玄「砂糖とミルクは？」

貴「両方いる。」

玄「フッ、子供みたい。」

なんて普通に会話をしてるけど……。

貴「オカシイよね？」

玄「何が？」

なんかうっかり和んじゃってるけど、

この人誰よ？

貴「貴方、誰？なんで私を助けてくれたの？」

玄「ねぇ、名前は？」

…ん？先に聞いたの私だよね？

貴「えー、私の質問は？」

玄「いいから、名前、教えて。」

なんなの、この人は。

でもいろいろお世話になったし、コーヒー煎れてくれたし、ここは一つ私が大人になろう。

…私と同い年っぽいけど。

貴「…A。」

玄「いいな、君にぴったり。」

くそぅ、反則だよ。

そんなかっこいい顔で柔らかく微笑まれると、反応に困るっての。

玄「歳は？」

貴「15。今年で16。」

玄「…マジか。」

歳を言うなり、男の子は肩を落としてうなだれてしまった。

どうしたんだろう？

と不思議に思い、隣に座る男の子の方に身を屈めてのぞき見た。

膝に肘を乗せ下を向いたまま、男の子が喋りだす。

玄「芸能人ってどう？」

き「なにが？」

単語が少なすぎて意味がわかんないよ。