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葛葉side
「お前さ、どういうつもり?」
優しく聞こう、そう思っていたはずだったのに自分の口から出た言葉は優しいとは遠くかけ離れた言葉だった。
え、と小さい声を漏らすA。
少し間を置いてから、Aが少し慌てたように話し始めた。
『あ、ご飯作れなくてごめんね…友達と買い物してたら遅くなっちゃって、早く帰ろうと思ってた、んだけど…』
違う、そんなこと聞いてない。
友達?友達ってなんだよ。友達だろうとなんだろうと、男と2人で出かけるなら普通は恋人に言うもんじゃねーの。
「へえ、友達?まぁそうだよな、家事もできないかっこよくもない俺より身長高くてかっこよくて買い物にも付き合ってくれる優しい男の方がいいもんな!じゃあ俺なんかやめてそのかっこいいお友達と付き合ったらいいんじゃないですか」
止まれ、そう思っているのに喋りだした口は止まらなくて、洪水のように言葉が溢れだしてきた。
Aの顔を見れない。紙袋を両手に持ったまま硬直している。
呆然と立ち尽くしているAを置いて、気づいたら俺は家を飛び出していた。
真っ暗闇の道を歩きながら思う。
最低だ。Aの話何にも聞いてないじゃん。一方的に決めつけて傷つけて最低だ。
だけど、あれだけ言って飛び出しておいてすぐに戻ることも出来なかった。変なプライドが邪魔してくる、謝りたいのに。
暗い道をトボトボ歩きながら、今夜どうするかを考える。
戻る家もない俺は、たったひとつだけの街頭に照らされた公園でひとりだった。
ネカフェや誰かの家に泊まることも考えたが、なんとなく今日中に仲直りをしなければならない気がしていた。
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まにる(プロフ) - ユイガさん» ありがとうございますー!!私もユイガさんの作品すごい好きでいつも見てます😭ユイガさんもがんばってくださいー!!🥲 (2022年11月20日 17時) (レス) id: f68424a15e (このIDを非表示/違反報告)
ユイガ(プロフ) - これからの展開が気になります!作者様のペースで更新頑張ってください!! (2022年11月20日 16時) (レス) @page39 id: a6327be762 (このIDを非表示/違反報告)
灰色(プロフ) - まにるさん» 2コメ失礼します…ニンチサレテタッッウレチイッッ超絶応援シテマツッッッ!!! (2022年11月20日 13時) (レス) @page39 id: 23840e3b5f (このIDを非表示/違反報告)
まにる(プロフ) - 灰色さん» こちらこそ灰色さんの作品めちゃくちゃ見てます超応援してます😭😭ありがとうございます!!! (2022年11月20日 13時) (レス) id: f68424a15e (このIDを非表示/違反報告)
灰色(プロフ) - これからの展開が楽しみ過ぎる…!どうなっていくんや…!?というワクワクが止まらない…応援してます! (2022年11月20日 12時) (レス) id: 23840e3b5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まにる | 作成日時:2022年11月12日 10時