. ページ42
結局昨日はそのまま、リビングのソファで寝落ちてしまっていたようだ。
慌てて時間を確認すると、まだ6時半。
葛葉くん、まだ寝てるよね。
そう思って長い廊下を歩くと、角を曲がった矢先に何か大きなものにぶつかった。
「いって」
こんな時間にお屋敷に、葛葉くんと私以外誰かいるわけもなく。
『あれ、葛葉くん？』
「……あー、Aおはよ」
なんだか気まずそうに目を逸らしている葛葉くん。
もしかして、昨日のこと気にしてる？
目を合わせてくれない葛葉くんと私との間に、なんとなく気まずい空気が流れる。
.
『…葛葉くん、もう体調は大丈夫なの？』
そんな雰囲気を最初に破ったのは私で、葛葉くんもやっとこっちを向いて話し始めた。
「ぁー、まぁおかげさまで」
そう零したあとに聞こえた「ありがとう」の言葉は、だんだん小さくなっていって。
思わず、クスリと小さく笑いが零れた。
昨日のモヤモヤした気持ちも全部どうでも良くなって、笑いながら下を向くと
「は、なんだよ何笑ってんの」
とムスッとした声が聞こえてくる。
葛葉くんはムッと口を尖らせて、いつの間にかさっきまでの変な空気感も消えている。
あれ、何が気まずかったんだっけ？と思えるくらい。
『んーん、なんでもないよ！よし、葛葉くんが珍しく早起きしたことだし朝ごはん作ろ！』
「はあ？珍しいってなんだよ珍しいって！」
キッチンへ向かう私の背中を追いかける葛葉くん。
.
葛葉くんがいるなら、クリスマスに特別なことをしなくたっていいよね。
『ね、葛葉くん』
「んぁ？なんか言ったか？」
だって、葛葉くんといれるだけで特別だもん。
『……ん、なんでもない！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 940人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まにる(プロフ) - ユイガさん» ありがとうございますー！！私もユイガさんの作品すごい好きでいつも見てます😭ユイガさんもがんばってくださいー！！🥲 (2022年11月20日 17時) (
レス) id: f68424a15e (このIDを非表示/違反報告)
ユイガ(プロフ) - これからの展開が気になります！作者様のペースで更新頑張ってください！！ (2022年11月20日 16時) (レス) @page39 id: a6327be762 (このIDを非表示/違反報告)
灰色(プロフ) - まにるさん» 2コメ失礼します…ﾆﾝﾁｻﾚﾃﾀｯｯｳﾚﾁｲｯｯ超絶応援ｼﾃﾏﾂｯｯｯ!!! (2022年11月20日 13時) (レス) @page39 id: 23840e3b5f (このIDを非表示/違反報告)
まにる(プロフ) - 灰色さん» こちらこそ灰色さんの作品めちゃくちゃ見てます超応援してます😭😭ありがとうございます！！！ (2022年11月20日 13時) (レス) id: f68424a15e (このIDを非表示/違反報告)
灰色(プロフ) - これからの展開が楽しみ過ぎる…！どうなっていくんや…!?というワクワクが止まらない…応援してます! (2022年11月20日 12時) (レス) id: 23840e3b5f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まにる | 作成日時：2022年11月12日 10時
