壁越しの恋人 【kzh】

クリスマスの夜に ページ41

以上で本編は完結となります。

以降の話は番外編として書かせて頂くので、いろいろ細かいことは気にせず見てもらえると助かります！
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12月25日、それが何の日かって言えば！


クリスマス、恋人たちの聖夜。




もちろん私達も何週間か前から予定を立てて、どこへ行こうだとかどこのイルミネーションが見たいだとかどこのケーキを食べたいだとか話していたのだけど。






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「……あーもうほんと、ほんとすんません」



12月25日、葛葉くんが熱を出しました。


まあ最近すごい寒かったし風邪も流行ってるし…





『…全然大丈夫だよ、気にしないで！それよりまだ頭痛い？欲しいものとかあったらなんでも言ってね』



葛葉くんは一切何も悪くない、誰が悪いとかは全くないけどそれでもやはり寂しい。


葛葉くんを責めるつもりは全くないけど、そんな気持ちが無意識に声や喋り方に出てしまったようだ。





「…おー、おう」


その声を最後に、私は葛葉くんのお屋敷の寝室を後にした。




＿＿



元々葛葉くんのお屋敷でゆっくりしてからデートに行く予定でお屋敷に来ていたが、葛葉くんの体調が心配だったのもありお見舞いに来たまま今日は葛葉くんのお家に泊まることになった。




いつもはすぐ隣から聞こえる笑い声もなく、広いお屋敷にテレビの音だけが響く。




画面の中には、大きく赤いテロップで

＜クリスマス本番！イルミネーション特集＞

とある。



リポートするお姉さんの後ろには、キラキラ光る装飾の前で手を繋ぐカップルや写真を撮るカップル、友達と来たであろう学生などたくさんの人がいて皆が幸せそうな顔をしていた。







『……はぁ』


ため息だけが虚しく響く。



誰も悪くないけど、寂しいものは寂しいよ。




ねえ、葛葉くん。

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