壁越しの恋人 【kzh】

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※少しショッキングな表現があるので苦手な方は注意です。閲覧は自己責任
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


っ、あ。









目が覚めた。





目が覚めたと言うよりかは、意識が戻ってきたという方が正しいだろうか。













……………あれ、Aは、？








慌てて階段をかけ下りるも、Aの姿もオバサンの姿もなかった。






追いかけなきゃ。






どうしようもなくそんな衝動に駆られる。




俺のせいでAを犠牲にする訳にはいかない。


もう二度と、あんな過ちはしたくないから。







心に決めた。






雨が降ってるが気にしてる暇はない。





A、A、A＿＿＿＿＿。










Aの家はわからない。





けど、何かが俺にAがいる場所へと導いてくれた。









A＿＿＿＿。






何度も何度も名前を呼ぶ。










だが、どうにも神様は優しくなかったようだ。












.













.











Aが、血を流して倒れていた。










「お、い、おい。…A？A、！」







何度もAの名前を呼んでいる。この声が届くように。助けられるように。








「………A」







雨なのか涙なのかわからない雫がAの頬を汚した。










そこで俺の意識も途絶えた。








ごめん、守ってやれなくて。



ごめんな、A＿＿＿＿＿＿＿＿＿












.












.












……ん、っ、？あれ、？





何か変な感じがして、慌てて飛び起きる。





ここは………病院、？










どうやら俺は2日間程度眠っていたらしい。




テレビに写る日付から察する。







「あっ！葛葉さん！」








病室の外から、俺を呼ぶ声が聞こえる。




たまたま通りかかった看護師が、俺が目を覚ましたのを見つけたようだ。














.












それからの話は、案外早かった。








検査やら医者からのお話しやらが終わり、退院についた手続きに関する書類を書く。







保護者の了承とかそんな感じのところは、能力でどうにかしていた。










そんなことより。












医者からの話によると、俺が意識を手放したあとは近所の大人が救急車を呼んでくれたらしい。









そして俺は聞かされた。












Aがまだ目を覚ましていないこと。



そして。














.














.












.














俺の記憶が、操られていたこと。

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