壁越しの恋人 【kzh】

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今日もまた、消費するだけのつまらない1日を繰り返す。




授業を受けて、お弁当を食べて、家に帰って、勉強するだけ。



そんな日が、気づいたら1ヶ月ほど続こうとしていた。




1ヶ月前の日々が夢で、本当はこっちが現実なんじゃないか。


そう思えるほど、1ヶ月前は充実した楽しい日々で今は繰り返すだけのつまらない日々と言えた。








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ある日、お母さんが出張と言ってまたどこかへ出かけた。






最近、やけに忙しそうにしていると思ったが仕事の忙しい時期なのだろうか。






適当なことを考えて、リビングのソファに座る。


久しぶりにお母さんのいない休日だが遊びに行くなんてことは…………もちろん、なかった。




特にすることもないので、テーブルの上に置いてあったスマホへと手を伸ばす。





学校にいる間は基本的に触れない校則で、家に帰ってからはすぐに没収。




もはや持っている意味はあるのか、そう考えるほどに使わないものと化していた。






久しぶりにロックを解除して久しぶりにスマホを見ると、アプリの右上には通知バッジがたくさんある。






とりあえずLINEを開いた。





公式LINEやクラスのチャット、ほとんど話さない友達同士の業務連絡。


特に見る必要はないか、そう思ってアプリを閉じようとした時だった。








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【ごめん、嫌われるようなことしたなら謝る。ごめんなさい。】







ふと目に付いたのは、2週間も前に届いていた一通のLINEだった。



相手はもちろん、葛葉くん。








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あぁ、そうだった。




ごめんね、2週間も未読無視しちゃって。



嫌いになんかなってないよ。





既読をつけた状態で無視するのも腑に落ちなくて、ゆっくりとキーボードを叩いた。






【未読無視しちゃってごめんね。嫌いになったんじゃないから、安心して。】





なるべく塩対応に。


そう思って返信したLINE。



一瞬でつく既読、すぐに来た返信。





めんどくさいな、そんなことを考えてるのは汚い心だけだった。



私のことを必要としてくれるなんていう都合の良い解釈。




葛葉くんは＿＿＿＿＿









【A】







【いつか来てくれるの、待ってるよ】









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不器用だけど、優しい人だ。

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