壁越しの恋人 【kzh】

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親に力強く腕を引かれ、家に着いた途端に床に正座させられた。





「Aが集中して学習できてるか心配で、仕事を早めに終わらせてきたのよ。それなのにまさかこんな時間まで遊び歩いてるなんて………ね。」





久しぶりに見た、軽蔑の視線。




その視線が鋭く痛く刺さってきて、目を逸らさずにはいられなかった。




何も言うことができない。






「…………やっぱり、今からでもにじ高じゃなくてあそこの私立に＿＿＿＿＿＿」






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そんな、



『それだけは嫌だ！お願いだからそれだけは＿＿＿』




必死の思いで懇願するが、この気持ちはお母さんに届いているだろうか。







「…………そう、そんなに言うならこのままでもいいけど。」




相変わらずの軽蔑した視線だが、その一言で一安心した。








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「その代わり、門限は17時半まで。休日はもちろん、外出なんて………ね？」








やっぱり、そうだよね。



薄々想像はしていた。17時半となると、もちろん葛葉くんの家に行く時間などない。




せっかく咲ちゃんやしぃしぃとも仲良くなれたのに、な。








『……………はい、わかりました』





にじ高から転校するよりマシ




そう自分に言い聞かせて、無理やり納得するしかなかった。

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