壁越しの恋人 【kzh】

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葛葉side


ドア越しに、





『じゃあね、また月曜。』





と聞こえた。





帰っちゃうのかぁ。



あいつらが隣の部屋で話しているのを確認し、俺は誰にもバレないようにこっそりAの後をつけて家の扉を押した。




ふわふわしたような足取りで歩くAの後をつける。







いや別に、ストーカーとかじゃないし！？





もう19時過ぎてるから、心配なだけ。








なんかあってからじゃ遅いし、女の子ひとりで夜に歩くのは危険だ。







楽しそうに歩くAを見ているだけで俺も楽しくなってくる。





Aが俺の家を出てから数分後。






Aの行動を観察しながらつけていると、Aが突然立ち止まった。







.







ん？A、なんか見つけたのか＿＿＿＿＿








.










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俺が瞬きをした一瞬で、Aの腕はAの母親らしき人に力強く掴まれていた。






Aは＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿








.










泣いていた。

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