壁越しの恋人 【kzh】

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14時7分だけど、叶くんまだ来ないなぁ……と思っていたところ。





「お待たせ！ちょっとだけ遅れちゃった！」





ほんの少しだけ遅れて、叶くんがやってきた。



無事に叶くんもやってきて、私は聞いていなかった重要なことを叶くんに尋ねる。





「そういえば叶くん。私、ゲームできないけど何するの？」





トランプとかそんな感じ？でも高校生になってトランプなんてやってるのは私の家だけじゃないのかな。

周りの人はみんなゲーム持ってるし。





叶くんは、私に満面の笑みを向けて答えた。





「そりゃあもちろん、ゲームだよ！」






.








そう言ってずっとニッコニコの叶くん。




やっぱ初めて会った日から、ちょっとだけ怖さと怪しさが消えない、かもしれない。






「ゲームができないAちゃんでも、これはサイコロ振ってミニゲームするだけだから比較的楽しくできると思ってー！！」





いや、前言撤回。



叶くんは本当に優しい。ゲームができない私のために、私でも楽しくできそうなゲームを用意してくれたみたい。





「隣の部屋くらいだったら通信も大丈夫だとと思うし、楽しくやってこ〜！」




ふわふわしてる叶くんだが、やっぱりちゃんと考えてくれている。





ゲーム内のチュートリアルを見終わり、いよいよ本番。




ゲーム如きで？と思うかもしれないが私はかなり緊張している。





なんせ初めて友達とゲームをするのだ。




叶くんのターンが終わり、いよいよ私のターンになる。







えっと、サイコロだよね？ここ押したら………


よし、できたできた！





その後葛葉くんのターンも終わり、いよいよミニゲーム。









.











.










そんな感じで私たちは2時間近くゲームを満喫していた。


たびたび隣から聞こえてくる、




「はぁ！！？！？」





とか、そんな声も私の心を楽しくさせてくれて。



2時間は、想像以上にあっという間だった。勉強している時はあんなに長くて退屈だったのに。

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