3話 ページ4
演習場に来たのはいいが、
『広いな、思っていたよりも』
街がそのまま再現されている。これは、手間がかかりそうだ。とりあえず話す連中を置いて軽めにストレッチ。
かの有名な雄英高校の試験だ。いつスタートされるか分かったもんじゃねぇ。できるだけ体力を使わず、そして多くのポイントを稼ぐ。
｢ハイスタートー!!｣
来た。誰よりも早くスタート。多分後ろの連中は呆気に取られているだろう。街の中心へ着き、神経を尖らせる。
まずは…後ろ。
敵｢標的捕捉!!ブッ殺ス!!｣
『…1Pかよ』
こいつは速いけど、脆い。こんなの、蹴りで上等だ。
『ふっ』
CRASH!!
『さぁ、こい』
次から次へと敵は現れる。2体、3体、5体、10体。目に見えるヴィランの全ての上に、破壊された岩を落とす。一気に20体。
情報力、機動力、判断力、戦闘力。全てが必須。そして、クライマックスは…
『!!…出たな、ギミック』
圧倒的脅威。大暴れするギミック。それを目の前にした人間の行動は正直。だが、
『逃げてるばかりじゃ倒せねぇぞ』
周りの障害物をかき集め、倒そうとした時、
｢いった…｣
小さな悲鳴。振り返ると、女子生徒が転んでいる。まずい。このまま相手を倒すと彼女も巻き込まれる。
…仕方ねぇな。
最速でダッシュし、彼女に覆いかぶさるように立ち、その上に更に巨大な障害物を集め、屋根を作る。ギミックが大きくその岩を叩いた。
『…っ、くそ…!!』
思ったよりも大きな衝動。腕の骨が砕けそうだ。足が地面に埋まっていく。だが、耐えろ。目の前の彼女が市民なら、大切な人だったなら。
『…守らないわけには、いかねぇな!!』
そう言って笑った。
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作者名：Kiyo | 作成日時：2018年7月14日 18時
