小さな恋物語

家族　creep 小泉 ページ3

小泉side


「パパ。こんな所で寝たら風邪ひくよ」


そんな声で目が覚める


「あぁ、ごめん...」


彼女は、俺の妻

でも、子どもが産まれてからは、母親の顔でいることが増えた

だから、少し寂しい気持ちもある


瞼をこすりながら体を起こすと、そこはリビングで

時間を確認したら、夜の12時だった

俺、寝ちゃってたのか...


「太貴は？」

「もう寝た。ほら、パパも布団行って」

「んー...」


彼女の腕を引っ張り、抱き寄せる


「わっ...どうしたの？急に」

「A」

「なーに？拓」


いつもは、『パパ』『ママ』って呼び合ってるから、名前なんてめったに呼ばないけど

たまには、いいでしょ？


「明日、遊園地にでも行こうか」

「私、水族館がいいな」

「じゃあ、水族館に行こう」

「うん。太貴も喜ぶね」

「そうだね」


一緒に居られることも少ないけど

せめて、一緒に居る時は、楽しい思い出を作ろう


「A」

「なーに？」

「寝ようか」

「だね」


おやすみ、愛しい家族



「何で水族館がいいの？」

「亀とか、見たくない？」

「そうかな」

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