小さな恋物語

Loved　04limi GEN ページ13

GENside


俺は、今日でAの恋人を辞める

理由は、大したことじゃない


ただ、ちょっと喧嘩して

ただ、ちょっと言い過ぎて

彼女を傷つけてしまっただけだった


いつもみたいに、すぐ仲直りできるんだって

俺が勝手に思ってただけだった


いや、それだけじゃないのかな

今さら考え直したところで、もう遅いけど


「...げん。元気でね」


言い終えてから、ダジャレになっていることに気付いて、恥ずかしそうに笑うAは

確かに、俺の愛した人で

俺も愛された人だった


「うん...Aも、元気でね」

「うん」


悪いのは、きっと全部俺なんだろう

俺のせいで、彼女はいつもの明るい笑顔を向けてくれないんだろう


「...ありがとね」


彼女は、別れ際にそう言ってはにかんだ


いつもと少し違う笑顔を見せる彼女に違和感を感じつつも、俺は


「ありがとうは、こっちのセリフだよ...ホントに、ありがとう」


と言って、彼女に笑顔を向けた


「最後に、ひとつだけワガママ言っていい？」

「何？」


俺は、瞼に溜めた涙をこぼさないように、必死にこらえながら言った


「あとちょっとだけ、一緒に居たい」


本音を言えば、もっとずっと一緒に居たいんだけどね

それは、さすがにワガママが過ぎるから

たったこれだけ、言わせてよ


それから、少しお茶をした後

俺達の恋人生活は幕を閉じた




「げん、これからも頑張ってね」

「ありがとう。Aも頑張ってね」




おにぎりさん、リクエストありがとうございました！

雨空の下、君の隣　kyuuso ヨコタ→←あなたの本音　yabaT　こやま

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