喧嘩-1/柳生 ページ5
「比呂士の馬鹿っ！もう知らないっ！」
「ちょっと、こんな時間からどこに行くのですかA…！」
投げ捨てた様な台詞を玄関先に残し、私は男子顔負けの脚力を発揮し、やけくそで夜の道を走る。
後ろから聞こえてきた足音も、しばらくすれば段々と遠ざかっていく。
…もう、本当、比呂士の馬鹿！
*
事の始まりは、比呂士の一言だった。
「…久しぶりに遊びにでも行きませんか？」
「…え」
「最近、私が忙しかったが為に遊びに行けなかったでしょう？どうでしょう、貴方さえ良ければ今週の週末にでも」
「…え、本当？やったぁ、嬉しい…
…あ、今度こそは、予定入れないでよ？」
私がそう言うと、比呂士はバツの悪そうな顔をする。
つい1か月前ほど、同じ様なことを言われて楽しみにしていた矢先、突然出かける予定の前日の夜に「仁王君と急遽食事に行かなければならなくなった」と告げられた時は、仕方の無いことはいえとてもショックを受けたものであった。
…ただでさえ、比呂士は医者として忙しいのだ。
遊びたい遊びたいとこちらが我儘を言うわけにはいかないが、最後に遊んだのは軽く3、4ヶ月前のことである。
＿それなのに。
「…ごめんなさい。仁王君とどうしても外せない用事が出来てしまって…」
視線を彷徨わせる比呂士に、私は溜息をついてしまった。
こんなに、連々遊びを断られるなんて。
…私のこと飽きたのかな。
…こんな事でいちいち怒っちゃうから、比呂士に嫌らわれたのかな。
そう思うと、じわ、と目元が熱くなる。
目の前に座る比呂士が、それを見て焦り故に思わず立ち上がったのが滲んで見えた。
「…ご、ごめんなさい！仁王君には嫌という程口止めされていましたが、これには訳があって……」
私は言い訳なんか聞きたくないと、比呂士の手を振り切り玄関に向かって走り出した___。
そして、冒頭に戻る。
「…はぁ、逃げてきちゃった」
ぽつりと、夜の道を歩く。
邪気になって走っている間に、偉く小道が多い路に足を踏み入れてしまった様だ。
…比呂士に悪い事したかな。
いや、私は悪くない。
悪いのはどう考えても約束を破った比呂士だもん。
…いや、でも…
そんな事を考えていた私は、後ろからやってきた物陰に気づく事なんてなかった。
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はすぱな(プロフ) - いずもさん» いずもさん初めまして！作者のいぶです…この度はコメント有難う御座います！立海お好きなんですか！？同志さん発見出来てめちゃめちゃ嬉しいです…！リクエストも有難う御座います！勉強会ですね…設定やシチュ等はどう致しましょう？もしありましたらお教え下さい！ (2018年7月10日 22時) (
レス) id: c5705b5379 (このIDを非表示/違反報告)
いずも(プロフ) - はじめまして！自分も立海めっちゃ大好きです！リクエストなんですけど、柳蓮二と勉強する話が読んでみたいです(´∀`) (2018年6月26日 0時) (レス) id: e6422e1b57 (このIDを非表示/違反報告)
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