看病/仁王 ページ4
「38.3℃…お前さん、雨でも被ったんか？」
私の脇から体温計を引き抜いた雅治は、顔を歪めてそんな事を聞いてくる。
「いや、特に心当たりはないけど…」
「ま、俺が来たからには安心ぜよ。とびっきりのお粥作っちゃるけぇ、安心してぐっすり眠りんしゃい」
そう言い、雅治はにやりと不敵な笑みを浮かべる。
こういう顔をする時は、大体後に宜しくない事が起きるサインだ。
「寝ようとしたのに、今の言葉で目が覚めたんだけど…」
忌々しそうに雅治を見るも、彼は私を見て面白そうに喉を鳴らすだけであった。
「酷い言い様じゃのぅ。…あ、台所使わせて貰ってええか？」
「ん？あぁ、大丈夫だよ。親には雅治が来ること伝えてあるから」
私がそう言うと、仁王は了解ナリと言って階下に降りていった。
*
…さて、どうするか。
風邪っぴきの彼女を上に残し、俺は姉から貸してもらった、中三男子が着るには無理がありすぎるピンクのエプロンを羽織る。
「…姉貴、わざとフリフリのやつ選びよって……」
正直エプロンの柄よりも、先程のAの反応が気になるところなのだが。
…俺がお粥を作ると言っただけで、あんなに訝しげな態度をされると少し心に来るものがある。
「…俺やって、彼女が倒れた時くらいは心配すんのにのぅ」
とはいえ、正直料理の腕は自信が無い。
「…まぁ、お粥作るだけやし大丈夫か」
俺はそう言い、調理に取り掛かった。
*
「…よし、お粥出来たぞ…って、寝とるんか？」
俺が戻れば、彼女は寝息を立てていた。
「…ほんと、黙って寝とればかわええのにの」
普段では絶対に有り得ない位に優しく頭を撫でてやると、彼女の苦しげな顔つきが少し柔らかくなった。
「…好いとうよ」
それを見て思わず、衝動に任せて唇を重ねてしまう。
まぁ彼女は寝てるし別にええじゃろ。恥ずかしさのあまり目線を逸らし、そう自分に言い訳した時だった。
「…ぶふっ」
小さく笑い声が聞こえ、俺は物凄い勢いで彼女の顔を見直した。
「………おまん、起きてたんか」
「いや、ごめん！いつも雅治に騙されてばっかりだから、私もたまにはペテンにかけれないかなって思って」
謝りつつも、笑いを堪えきれていない彼女に、恥を通り越して呆れが出てきた。
流石、変わりもんの俺の彼女。
「…完敗ぜよ」
俺はそう言うと、いつまでも笑い続けている彼女に痺れを切らし、強制的に静かにさせるしかないと、彼女の唇に噛み付く様にもう一度口付けをしたのであった。
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はすぱな(プロフ) - いずもさん» いずもさん初めまして！作者のいぶです…この度はコメント有難う御座います！立海お好きなんですか！？同志さん発見出来てめちゃめちゃ嬉しいです…！リクエストも有難う御座います！勉強会ですね…設定やシチュ等はどう致しましょう？もしありましたらお教え下さい！ (2018年7月10日 22時) (
レス) id: c5705b5379 (このIDを非表示/違反報告)
いずも(プロフ) - はじめまして！自分も立海めっちゃ大好きです！リクエストなんですけど、柳蓮二と勉強する話が読んでみたいです(´∀`) (2018年6月26日 0時) (レス) id: e6422e1b57 (このIDを非表示/違反報告)
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