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学校帰り、家には帰らず事務所に直行。いつの間にか森田さんから貰った合鍵を使って部屋に入る。
それから森田さんが仕事を終えて事務所に来るまで暇をつぶす。
事務所に来た森田さんはソファーの上にコンビニのレジ袋を放り投げた。それから、呆れた目をしながら部屋着でぐでぐでとソファーに寝転がる私と会長をすみに追いやった。
会長は優しく抱き上げられていったけど私は手でグイグイと押される。足で追いやられないだけましだと思お。
「いった、ちょ、森田さん痛いって」
ぶーぶーと文句を垂れるわたしに、森田さんはへいへいと適当にあしらった。
「A、ブクロに言っといて。お前よりも妹のほうがよっぽど事務所来てるぞ、お前もちょっとは来いや、って。」
「それ言ってもなー、兄貴はゴルフと女の人に忙しいから」
「妹にまでいじられとるの相当やぞ、あいつ」
がははと豪快に歯を見せながら森田さんは笑う。まーしゃーないか、あいつやし。って。森田さんは呆れた顔しながらも温かみのありそうな言葉で兄貴を語る。
でも兄貴が事務所に来ないのは本当のことだし仕方ない。
「あ、せや。そこのコンビニ袋、Aへのプレゼントやから。」
「え、森田さんやさし！！！ありがと！！」
「ちゃうわ。俺からじゃなくて盛山からやって。」
「盛山さん？！うそ！」
今日見取り図と収録が一緒だった、と。そこで私の話になったらしくて、森田さんが今日私に会うと言ったら、盛山さんが急にコンビニに走り出してこの袋を持って戻ってきたかと思ったらこれを私に渡してくれ、と森田さんが言われたそう。
優しすぎない？盛山さん。
レジ袋を自分に引き寄せて中身を見る。
お菓子、ジュース、お菓子、ジュース、、、
めっちゃある。
「やばい森田さん。盛山さん優しすぎるわ。めっちゃある。」
どれどれと森田さんが私の後ろからレジ袋を覗き込む。
「うっわ！！多っ！！あいつほんまAのこと好きやな！！」
けらけらと森田さんは笑う。煙草をふかしながら良かったやん、と。
森田さんに笑い返しながらがさごそとレジ袋をあさって一番上にあった牛乳プリンを手に取る。私の好きなやつ。
ちゃんとスプーンもついてる。
冷たくて美味しいプリンを口に運びながらソファーに座り足を伸ばす。
森田さんは私の反対側に座ってスマホを触り始めた。それを食べながらじっと見ていたら、ふと森田さんが目線を私の方に向けた。あ、目が合った。
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作成日時：2022年2月6日 22時
