身内贔屓 (ページ2)

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だから一旦事務所にこい、そこで仕事をしているから。みたいな返信が来た。

兄貴は事務所にいることはほぼないらしいっていう小話を母さんから聞いてた私はそれを聞いてひっくり返りそうになった。そんで、思ったことをそのまんま兄貴に返信しそうになったけどなんとか堪えた。

余計なことをしないほうがいい、これから私は兄貴に世話になるんだから

「てかこれ、もうすぐ着くって連絡しといたほうがいいんかな？」

五反田駅行きの電車に乗りながら私は兄貴に連絡しておくことにした。着いたタイミングが悪いとあれだし。

送ったメッセージにはすぐに既読がついて、「了解」とだけ帰ってくる。

そうこうしているうちに、五反田に着いた。

「……」

で、事務所の前に着いたはいいけど入れない。だって、怖くない？兄貴と森田さん以外全員初対面だし。
森田さんはすっごい小さい頃に2、3度お会いしたことがあるけどそれもめちゃくちゃ前の出来事だし。

そもそも兄貴が私のことを事務所にいる人たちに話してくれてるとは限らない。

もし話してくれていなかったら私事務所特定して勝手に突撃してきたやべぇやつだと思われるやん。

でも、入らないことには何も始まらない。てか、着てって言ったのは兄貴のほうなんだし。大丈夫。

そう思って、私は玄関のチャイムを押した。

『はいー？』

『どちらさま、、、、、」

ガチャっと音がしてドアが開く。中から出てきたのは案の定、兄貴じゃなくて森田さんで。
その顔から、兄貴が森田さんやスタッフさんになーんにも言っていないのだということを悟った。

困惑した顔をする森田さんに例をする。

「森田さんお久しぶりです、東ブクロの妹のAです。」

「え、あー！！！！Aちゃんか？！うっそ、めっちゃ美人になりすぎて誰かわからんかったわ！！！なになに、よう来たなぁ！！」

うわー！と驚いて、森田さんはバカでかい声でリアクションをした。
その声になになに、と数人の人が部屋の奥から集まってくるのを感じる。

「え、どしたんその子」

「誰よ？」

わらわらと人が集まる中、兄貴が1番奥からひょっこりと猫と一緒に顔を出した。

「俺の、妹」

「え？妹？お前妹いたの？」

マネージャーっぽい人が兄貴を凝視する。そして私を見る。また兄貴を見る。